第31回 茶器、寄り道話

 前回、前々回と、茶壺や蓋碗について語って参りましたが、実は私、日常生活ではあまり使っていません。お客様が来たときや、新しい茶葉を評価するとき、きちんとお茶と向き合いたいときはもちろん使います。
 が。
 それ以外の時、うちで最多出番数を誇るのは、断然、この子です。
 飄逸杯。

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瓢逸杯を横から

 日常生活でお茶をいれる道具に求めるのは、以下の4つ。
 1:一日にいろいろなお茶をざぶざぶ何倍も飲みたい。
 2:保温機能はいらない(ぬるいお茶にはぬるいお茶の、冷たいお茶には冷たいお茶の美味しさもあります。だいたいぬるくなる前に飲み切っちゃうしね)。でも、抽出中はある程度温度をキープしておいてほしい。
 3:茶葉が伸び伸びお湯につかることができる容量。
 4:一番大事なのは、適切なタイミングで、お茶を抽出しきること。
 この4点を兼ね備えた茶具、あるんです。さすが中国、変なところ合理的(褒めてます)。
 飄逸杯は、二重構造になってます。筒状のガラス、もしくはプラスチックの容器に、茶こしがセットされているような形。優れものなのが、ボタン一つで茶こしの底が開き、茶水が下に落ちること。
 1に関しては、紅茶など一回だけ抽出するものは小さな飄逸杯で。ほうじ茶や中国茶など、何回か楽しむものは、大きな飄逸杯にセットしています。
 2は、二重構造になっているので、空気が保温の役目を担ってくれます。ティーコゼーほどではないけれど、それなりに。
 3、ほどよいサイズです。小はマグカップ一杯分、大だと二杯~三杯分。
 4、これが完璧。重力を味方につけ、下から最後の一滴に至るまで、綺麗に落とすことができます。

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瓢逸杯を上から
 あまりに便利すぎて、うちには常にストック含め4~5個はあります。お客様にお見せすると、次台湾に行ったときに買ってきて欲しいとねだられることもしばしば。家族に強奪されたこともありました。
 そう、問題は日本にはなかなかないってことなんですよね......あったとしても2~3000円という凄い金額になっちゃってる。台湾のいつも買うスーパーのようなお店では、4~600円くらいでしょうか。
 なので、もし台湾に行かれた際は、ぜひお買い求めを。
 ガラス製のものより、プラスチックの方が割れる心配がなくて良いかもしれません。お茶を落とす仕組みがうまく働かない不良品もあるので、検品を忘れずに。
 私が良く買うのは(そして安いと思うのは)、勝立生活百貨(雙城店)。近くにある晴光市場や、Mr.Linのフレンチトースト、黄記魯肉飯に行くついでに足を伸ばすことが多いです。台湾のドンキホーテのような魅惑の生活雑貨天国なので、滞在時間は多めに見積もっておくといいかも。
 

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勢揃い、気がついたら四個しかなかった。また来月台湾行くので補充しておかねば
 勝立生活百貨
 住所:台北市雙城街21号
 営業時間:9:00~深夜2:00
 定休日:年中無休

 すっかり台湾お買い物情報回になってしまいましたが、次回はちゃんとお茶のお話に戻りますよ。
 ずずずいっと中国茶の歴史に踏み込みます!! 四千年の歴史......果たして連載何回分になるのか、おののきつつ、でもわかりやすくさくっとまとめますのでおつきあい下さいませ。