第6回 特別編 座談会 焼酎割り飲料は東京のローカル文化だ!〈前編〉

6.浅草・甘粕について

amakasu.JPG神)うちのお客さんで一番古くから続いている、浅草の「甘粕」さんは、うちのすぐ後、昭和のはじめに創業し、当時から今までずっと、ウイスキーハイボールが売りです。今やっているおばあさんの、先代のおばあさんの時代、うちが炭酸水と一緒にラムネも納めていて、ウイスキーをラムネで割り、氷を入れてレモンを浮かべ「甘いですねえ」なんていいながら出していたこともあったと聞いています。私の祖母が、荷車の大八車の後押しをして、袋を持って集金していました。戦後、あの店が一番忙しいときには、毎日5ケースずつ、うちは30本入りでしたが、炭酸を卸していました。戦後のモノのない時代は、どんなウイスキーを使っていたのか知りませんが。

寺)感謝状持って行かなきゃ。

神)それはもう、あの店の何十周年かのパーティを浅草ビューホテルでやったときに、お客さんみんなにハイボールを飲ませるというので、炭酸を何十ケースか寄付しました。請求書と言われたときに「いいです、寄付しますよ」と言ったら、「寄付するなら早く言え!」って怒られて。「もっとも、タダでもらって怒るわけじゃないけど」なんて、すごいおばあさんです(笑)。

Q)貴重なお話です。

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