第7回 特別編 座談会 焼酎割り飲料は東京のローカル文化だ!〈後編〉
3.炭酸のビンの規格について
Q)プレンソーダのビンの規格がまちまちなのはなぜですか?
阿)180mlは一合。
神)一升の(計量の)計算が楽だから。
阿)ハイボールなどを飲むタンブラーの容量が、焼酎を入れて、炭酸一本入れるとちょうどいい大きさです。
寺)普通のタンブラーは300から350mlで、その大きさにちょうどいい。それと、焼酎120mlにホッピーの(業務用)リターナブルビン360mlで、500mlのビール用ジョッキにちょうどいいところまで入ります。
阿)だいたい、炭酸を一合入れるとちょうどよい大きさ。
Q)昭和26年にバヤリースが出ましたが、あれが200mlでしたね。
寺)飲んでちょうどいい清涼感が200mlくらいなのかな。ちょうど飲みやすい量だと思います。
阿)進駐軍が最初に持ってきた。
神)向こうの規格が、そのまま日本に根付いたんでしょう。
Q)ウィルキンソンとニホンシトロンのビンは190mlですね?
神)よく分からないけれども、単位のちがいが規格に反映してるんじゃないかな。
寺)体格の小さかった日本人に、ちょうどよかったのが180だった。アメリカでは200だったんじゃないですか。
Q)王冠にプリントされているメーカーの名前はひとつでも、ビン本体は、いろいろなメーカーのものが混ざって流通していますが?
往時のニホンシトロンの会社外観
神)それは耳がいたい。うちなんかでも、お得意さんから混ざって入ってきてしまう。ニホンシトロンさんのビンとか、他メーカーのビンが混ざっていても、王冠だけはうちのもので、「まあいいや」と出荷しています。
Q)商売の慣習上そうなってしまっているわけですね。
神)そう。本当は分別して相手と取り替えればいいんだけれども、業務用(飲食店)で別にビンの名前なんてどうでもいいや、というお得意さまに出すわけですから。
Q)話が脱線してしまいますが、松戸のニホンシトロンは、なぜ2007年いっぱいで廃業してしまったのでしょうか?
寺)あれは私の伯父貴です。先日亡くなりまして、息子さんが跡を継ごうと思った矢先に、機械が壊れたという話でした。関東一の量の業務用炭酸を売っていたんですから、惜しいことをしました。