第7回 特別編 座談会 焼酎割り飲料は東京のローカル文化だ!〈後編〉

5.統一マークのはなし

Q)ガラナのお話が出たところでお聞きしたいんですが、統一マーク、統一ブランドは今どうなっているのでしょうか? 
(脚注:中小ボトラーの統一商品を同一規格で製造販売するもの。昭和34年、全国清涼飲料工業会理事長西田儀八氏のアイデア。昭和35年に第一弾「コアップガラナ」販売開始、昭和38年には22社が参加して、全国で一斉発売。とくに北海道で爆発的な売れ行きをみせた)

寺)今残っているのは、(コアップ)ガラナと、PCGボトラーズ会です。Pはパレード、Cはシーホープ、GはGLラムネ。ただし、会が残っているだけで、作っているところはほとんどない。

Q)パレード会はどうですか?

寺)パレードのコーヒー缶というのは、缶コーヒー・ブームのさきがけでした。三和商会の関茂樹さんが、缶コーヒーをはじめて開発して売り出した。シャンメリーも関さんの開発ですから、アイデアマンでした。でも、もう作っていないでしょう。

Q)パレードのビンに入った業務用炭酸を見たことがあるんですが?

神)それは単に、パレードの空びんを使っているだけでしょう。

寺)再利用で、ビンを使っていらっしゃるだけ。実際パレード会は活動していないので、やめろとはいえません。ミルクコーヒーはどこかで作っていますね。神奈川かな。組織としては壊滅といっていい。

Q)世田谷の下馬に事務所があったようですね。
(脚注:三和商会の関茂樹社長が昭和49(1974)年に世田谷区下馬に6階建てのマンションを建設、その一階に関東パレード㈱の本社事務所を開設した。パレードコーヒー、パレードネクター(ピーチ/ミックス)、ミルクセーキなどを発売。70年代には缶容器初のミルクコーヒー「サンメッカコーヒー」を発売し、爆発的なヒットとなる)

神)もうとっくに無くなった。

寺)やめたのは十数年前でしょう。

Q)ガラナはまだ作っていますね?

久)北海道の小原(株式会社小原)さんが有名ですが、関東以西ですと、川崎飲料、静岡、愛知、そしてホッピービバレッジ。

久)昭和30年代、コカコーラが発売されました。アメリカ式の大企業の組織力で、あっという間に市場を席巻します。そこで、当時の組合の、今日いらっしゃる方々のもうひとつ上の世代の方々が、自分たちの対抗商品を持とうとお考えになった。そこで出てきたのがコアップガラナの統一商標。北海道から九州まで、全国各地で展開をはじめました。

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