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7月14日(火)

 TBSラジオの「森本毅郎スタンバイ」が今週月曜日に5000回を迎えたというので、当日そのパーティがあった。放送開始20年である。その間ずっと聴取率1位か2位を守ってきた、というのはすごい。私が木曜日に出演するようになったのは2003年からだが(隔週木曜日の8時21分ごろから27分ごろまで出演)、6年というのは出演者の中ではひよっこで、10年15年という人はざらにいる。20年という人までいるのだ。

 もちろんその番組5000回を祝福するためにパーティに出席したのだが、実はもう一つ、出席の目的があった。というのは数年前、横浜の葬儀場で行われた通夜の会場で、この番組に出演しているコメンテイターの方を目撃したことがあるのだ。通夜会場の遠くにその方を見かけ、私の知人とどういう縁があったのだろうと不思議だった。

 すぐに話しかけようと思ったが、そのときは隣の人に声をかけられ、その相手をしているうちに姿を見失い、気がついたら帰られたあとであった。どういう関係なのか、それからずっと気になっていたのだが、出演日が違うと会うことも少ない。今回はいい機会だ。
 溜池山王の会場にいき、そのコメンテイターの方の姿を探す。一人、ぽつねんとしていればすぐに話しかけられるのだが、次々にさまざまな人に話しかけられている姿を見ると、声をかけにくい。こちらの用はたいしたものではないので、割り込んで邪魔をしたら申し訳ない。あくまでも彼が一人でぽつんとしていたら、声をかけよう──というレベルなのだ。

 しばらく旧知の放送作家や、同じ木曜日に出演している人など、知り合いの人たちと話していたら、姿を見失ってしまったが、会場をぐるっと見渡すと、なんと私のすぐ後ろで談笑していた。これはチャンスだ。そちらの会話が途切れるのを待って、声をかけた。

 私の知人とどういう関係にあったのか。知人の仕事と、そのコメンテイターの方の仕事とはジャンル的につながらないのだが、どこかで意外な接点があったから通夜にいたのだ。その「意外な接点」を知りたい。私の知らなかった知人の顔を見ることが出来るかもしれない。

 現実は常に意外な結果が待っているもので、横浜の葬儀場に行ったことはないとその方は言う。念のために、私の知人の名前を言うと、申し訳ないけど存じあげません、と言う。では、あれは彼ではなかったのだ。すごく似ている他人だったのだ。
 この数年間、ずっと気になっていたことが解けたのだから、すっきりするはずなのだが、それからなんだかもやもやがなんだかなあと続いているのである。

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