7月21日(火)今日届いた本
よしだまさしさんから「熱中! フィリピン映画」という私家版が送られてきた。よしださんは、2009年に「途中下車の古本屋」という私家版を出し、そのときも当欄で紹介したが、今回はこのタイトルからわかるように、対象はフィリピン映画。
しかも映画祭で上映されるような評価の高いフィリピン映画ではなく、よしださんが紹介するのは、「フィリピンのごくごく普通の映画館で上映され、フィリピンのごくごく普通の観客が観に行くような、いわゆるローカルムーヴィ」である。
たとえば、フィリピン映画の興収ベスト10が最初に紹介されているが、その10本中半分の5本に出演しているヴァイス・ガンダというフィリピンの映画俳優がいる。彼が出る映画の大半はコメディ映画で、これがつまらないとよしださんは書いている。ところが年末になると、彼が主演する映画が必ず上映され、お約束のように大ヒットするという。
ちなみに、そのヴァイス・ガンダが主演する「Beauty and the Bestie」で日本人ヤクザを演じているのが、ジャッキー・ウーという日本人で、フィリピン、香港、台湾、中国、韓国で活躍している俳優だが、この映画で手下が韓国語で報告してくると「何言ってんだかわかんねえよ。韓国語で報告するんじゃねえよ」という日本語の台詞があり、思わず吹き出してしまったとよしださんは書いている。
興味をひかれたのは、2018年に制作された「We Will Not Die Tonight」という作品で、この映画について著者は次のように書いている。
勝手に邦題をつけるとすると「夜を生き延びろ」といったところか。フィリピンには珍しいシンプルなアクション映画だ。そこにあるのは、襲いかかるギャングたちとの過激なバトルと逃走劇のみ。しかし、登場人物のキャラクターがしっかりしており、緩急のあるアクション演出もみごとで、まったくだれるということがない。ずっと緊張感が持続するのだ。
おお、これは観たい──と思って読み進むと、「なんと本書の制作中に『ネバー・ダイ』という邦題で劇場公開されてしまった。いずれ、DVDもリリースされることだろう。ぜひ、ご覧いただきたい」とよしださんが書いている。DVDが出たら絶対に買うので、誰か教えてくれい!