第65回

 この号から佐々木教の企画で"あたしンち"を貸してくれたけらえいこ(ペンネームはおけらスタジオ)の連載マンガが始まっている。既に5月号で目次ページのレイアウトをリニューアルした際、そこに載せるマンガを依頼していたのだが、7月号の進行中に突然(このパターン、なぜか多い)編集長に、
「1Cページが3ページ空くんだけど、何か企画はないか」
 と言われ、
「連載ですか、短発ですか」
 と聞くと、
「どうなるかわからない」
 との答え。
(それじゃあ、企画の立てようがないじゃないですか!?)
 思わず突っ込みを入れそうになったが、もちろん口には出さない。それに企画を出せば、ただでさえアップアップの担当ページがまた増えることになる。単発でも連載でも可能で、取材とかの手間のかからない企画...。
(そうだ。マンガならネームを描き文字にしてしまえば、レイアウトもいらないし、原稿をもらえば、右から左だ。4コマだったらいつでも終わりにできるし)
 思いついたまま、編集長に話すとあまり乗り気な様子ではなかったものの、少し考えて「じゃあ、そうするか」の一言。こうして、けらえいこの連載が始まったのだった(ちなみにこの連載は、けらえいこの経歴・作品リストからは末梢されてる(笑))。こんな経緯で始まったため、本来最後に『つづく』と入れるところを連載開始から9回続いた(以降は別企画のマンガ)最後まで『つづくかもしれない』と記していた(この頃は新人だったとはいえ、後の文芸春秋漫画賞受賞作家に対して失礼なことをしたと今でも反省している)。

 増える担当ページを少しでもラクにしたかったのには理由があった。インタビューするアイドルが1人から3人に増え、ただでさえ取材・撮影にかかる時間と手間が3倍に増えたのに加えて、芸能担当としてのコンテストやイベント・コンサートなどの取材が増えてきたためだ。それまでは、カメラマンだけに行ってもらっていたのだが、お世話になった事務所やアイドルのものとなると義理を欠くわけにはいかない。7月号も「College Gals大活劇」絡みで「おれは男だ! 完結編 出演者オーディション」(なんと9時間)と志賀真理子の「池の平世界体験旅行オープニングセレモニー」(会場は白樺湖ファミリーランド、一泊取材)に行っている。グラビア撮影なら一日かかっても4~6ページになるが、取材ものはどんなに時間が掛ってもせいぜい3ページ、下手をすると1/4ページにしかならない。労多くしてページ少なし...決してさぼりたくてラクにしたいと思っているのではないことをお分かりいただけるかと思う。