出社後すぐ外廻り。会社にいると妙に息苦しい。 この辺は発行人の目黒とまるきり違うところで、目黒は会社がきっと一番居心地のいい場所なのだと思う。2階の編集部を覗き、ソファーの片隅でうずくまっているのを見て、そのことを実感する。よほど無防備でないとこんなところで熟睡できるわけがない。それにしても50過ぎにもなってよくソファーで眠れるなあ…。
横浜方面を営業。
今週の文芸書の目玉は、なんと言ってもハリーポッターシリーズ第2巻『ハリーポッターと秘密の部屋』。これが予想通り売れるか売れないか…によって9月の売上がだいぶ違ってくるのだ。1冊1900円もおいしい数字。
さてさて、いかにと担当者に聞いてみると、やはりどのお店も順調なようで一安心。まあ、他社のことだからこちらとしては関係ないのだが、やはり文芸書の棚に活気がないと非常に淋しい。それ以外では、乱歩賞受賞の『脳男』や、一粒で3度おいしい『新宿鮫』最新刊も相変わらず好調のようだ。
桜木町から横浜へ移動する。Y書店の担当者が変わっていてビックリ。今度の担当Hさんは他の支店で大変お世話になっていた方なのでまたまたビックリ。でも、面識がある人で良かったと一安心。その後、S書店に顔を出すと、こちらも担当者が変わっている。新担当のKさんと挨拶がてら話をしていると「実は、昔、本の雑誌に載ったことがあるんですよ」と恥ずかしそうに告白される。詳しく事情を聞いてみると、7年近く前、別のお店にいたときに、年末のベスト3を選んでいただいたそうだ。いやー、ビックリだけど、『本の雑誌』を知っている方でまたまた一安心。今日はやけにビックリと一安心が多い日だ。横浜を順調に営業するが、M書店のYさんに会えなかったのが残念。公休日を忘れていた僕の大失態。ああ。
さて、横浜を営業し終えると夕刻に迫っていたので、とりあえず東京へ戻る。この移動の電車で男子高校生グループと乗り合わせ、その傍若無人な振る舞いに不愉快な気分になる。彼ら4、5人は電車に乗ってくるなり、人の迷惑を顧みず、車座になって床にべたりと座った。その後、そんな大きな声で話さなくてもいいのにと思うほど大きな声でしゃべり出す。携帯電話は鳴り響き、そちらも大声で会話。急に立ち上がったかと思えば、つり革で懸垂したりしていた。まったく落ち着きがなく、こちらとしては、迷惑以外の何者でもない。
『本の雑誌』10月号、木村弁護士の原稿で、「女性専用車両」の復活をという提案があったけれど、僕は、「高校生専用車両」を作って欲しい。ひとつの車両に彼ら彼女らを押し込んで、どれだけおのれ達が人様に迷惑をかけているのか、気づいて欲しい。って気づかないか…。まあとにかく不愉快。いまこそ、山口瞳氏の『男性自身』すごく読みたい。
そんなことを考えていると他の車両も欲しくなってきた。終電間近には「酔っぱらい専用車両」を作って欲しい。こちらは仕事で遅くなっているのに、ウダウダ絡まれるのは、たまったもんじゃないし、アルコールのプハーなんて息も気持ち悪い。それから目に余るカップルもたまにいるので、「カップル専用車両」を作って、好きなだけいちゃついてもらいたい。抱き合おうが、キスだろうが、その先だろうが、その車両であれば何をやってもいいぞ。そうなると、その「カップル専用車両」の前と後ろは「のぞき専用車両」ということになるか。あとは、最近流行の「出会い専用車両」なんて良いかもしれない。でも、「営業マン専用車両」なんていうのには乗りたくない。お互い愛想笑いのし通しで、天気のことなんてブツブツ言い合っていそうで非常に怖い。
うーんいろんな車両が出来てきたが、他にもいいのがありそうだなあ。一番欲しいのは、「杉江専用車両」か…。
ああ、訳の分からない一日になってしまってすみません。