12月26日(金)
本の雑誌社には忘年会というものがない。その手の行事でただひとつ行われているのは、助っ人学生の卒業式くらいで、あとは新年会も花見も納会もない。
だからこの原稿を書いている12月26日は、03年最後の出社日なのだが、午後6時7分現在、誰もがいつも通り仕事をしている。それはそれでベッタリ人とつき合うのが苦手な僕としては有り難いことではあるのだが、何だか物寂しい。人間やっぱり何か区切りが欲しいじゃないか。
先ほどから「少しくらい飲みませんか?」と声をかけているのだが、誰も反応してくれない。酒好きの浜田くらいはつき合ってくれるかと思ったが、一切無視を決め込んでいやがる。最終日くらい酒を飲んで、発行人や編集長や顧問を罵って、逆に編集長から殴られて、ちょっと鼻血を垂らして、やっぱりこの会社に入って良かったです、なんて泣きながら抱き合うイベントがあっても良いじゃないか。
しかし誰も反応してくれない。
仕方なく冷蔵庫の缶ビールを取り出し、ひとり飲み出す。
ああ、うまいなぁとしつこく呟いていたら、みんなが僕を取り囲みだす。そうだろ、そうだろやっぱり最終日だから飲みたいだろ。
「あの~、大丈夫ですか?」
「なんだよ、ビール2本くらいで、そんな酔ってねぇよ。」
「違いますよ、そのビール、1年前で賞味期限切れているんですけど」
★ ★ ★
皆様、今年も『炎の営業日誌』をご愛読いただきありがとうございました。
4年目となると、ほとんど書いていることがダブりのような気がしてきて、何を書いて良いのやらとなってしまい、かなり息切れして、とぎれとぎれの連載になってしまい申し訳ございませんでした。
来年以降どのようなペースで続けられるのかわかりませんが、よろしくお願いします。