2月25日(金)
とあるネット書店さんから「一度来て見ませんか?」とお誘いを頂き、おお、ならば前々から聞いてみたいことがいっぱいあったんですよとすぐさま訪問することにする。
そのネット書店さんは高層ビルにあった。
うう。僕はジュンク堂書店池袋店より高いところに行くと、急に落ち着きを失ってしまうのだ。ドキドキぶるぶる、おまけにもうひとつ苦手な「立派な受付」なんてのがあって、そこで名を名乗り訪問を告げると、まさに外資って感じのアメリカンスマイルを返されるではないか。うう。ヤバイ、もう僕、完全に正気を失っている。
しばらく受付で落ち付きなくキョロキョロしていると担当者さんが見え「もうちょっと上になりますので」とさらに上に連れて行かれてしまうではないか。もうこの時点で僕の高さに対する限界を超えており、まさに「上の空」。
打ち合わせするオフィスのなかへと入っていくと、こちらはこちらで、この『WEB本の雑誌』のシステムを制作しているB社同様、クリックの音しかしない無音の世界。いつも浜本の鼻をかむ音や事務の浜田の「キーッ」という吠え声なんてのに囲まれて仕事をしている人間には、信じられない静けさで、緊張にさらに追い打ちをかけられる。
そんなガチガチの状況下、唐突に担当者さんが振り返り「僕、椎名さんの浮き球△ベースに参加したことがあるんですよ」なんて話しかけてくるではないか。
最先端のネット世界と海辺に転がっているゴミを使ったあまりにアナログな野球がまったくかみ合わず、一瞬この人はオレをバカにしているんじゃないかなんて考えてしまったが、そうではなく本当にとあるチームで浮き球△ベースに参加していたようだ。しかも同じ大会に参加していたりしていやはや世間は狭いとというか、椎名の世界が広いのか。
しばらくすると他の担当者さんもいらして、それぞれ名刺交換をさせていただく。その度に、肩書きについている仕事の役割がどんな仕事をする人なのか質問するが、親切丁寧に教わってもいまいち理解ができず「普通の書店さんでいうと仕入れですね」とか「棚担当になるんですかね」なんて、まるで兵隊の位で人を理解する山下清。うう、ほんとにオレってバカなんだなぁ。
しかししかしここまで来たら恥も何もあったものかと、とにかくわからないことを質問すると担当者さんもあまりのバカが来たんでビックリしたのか、ひとつひとつ丁寧に教えてくれるではないか。長年の疑問がキレイさっぱり解消され、いやはや、やはり疑問は本人に聞くのが一番なんだな。ありがとうございました。
生まれて初めてのネット書店見学会は、かなり面白く、そして刺激的で、その後は様々なことを考えてしまったが、それはまだまとまっていないので、いつの日にか書くとしよう。