3月28日(月)
先日、二子玉川を営業に行った。
今までだったら高島屋に入っている紀伊國屋書店さんを訪問し、それでまた次の駅へ移動していたのだが、そういえばブックファーストさんが出来たって話を聞いたなと思い出し、あわてて駅周辺を探すが見つからない。
まさかそんな遠くにオープンさせるわけもなかろうし、うーんどこだ?とかなりウロウロしたのだが、結局あの青い看板を探すことが出来ず、肩を落として駅に戻った。改札を通り、顔を上げたら青い看板があるではないか おお! 駅の中にあったのか…ってそれくらい調べてから訪問しろよと深く反省する。
かつて、とあるベテラン書店員さんと話していた時、どんなに凝った棚を作ろうと何をしようとやっぱり書店にとって一番大事なのは立地なのよ、とため息をつかれたことがあったけど、ほんと立地か大きさが書店の売り上げの大切なコンセプトになっているのは間違いなかろう。
そういう意味で駅中というのは最高の立地であり、上野駅や品川駅、あるいは西船橋や千葉にも出来ているブックガーデンさんの売上は伸びていくであろうし、大宮駅やここ二子玉川のように駅中をテナントに貸し出す場所があれば、そこはチェーン書店さんの奪い合いの場になるのも想像がつく。
ただ問題なのは、そういう場所はテナント代もきっと高額であろうということで、これをペイするほどの売上をその店舗がもてるのかどうかということだ。出版社から見れば、売れりゃいいわけだから関係ないといってしまえばそれまでなのだが、例えば単品50冊とか100冊とか売っているお店で結局店舗としては赤字だったなんて話は結構ある。
そんなことをぼんやり考えつつ、担当者さんにお会い出来ずにお店を後にし、田園都市線に揺られていたら、ふと疑問が浮かんでくる。
どんどん潰れていっているいわゆる「町の本屋さん」であるが、これってよくよく考えたらかなり良い立地にあるよな。駅前だったり商店街の入り口だったり。それなのにどうしてダメになってしまうのだろうか?
って先ほどみた駅中ブックファーストさんを思い出したら、並んでいる書籍が全然違うじゃないか…。ブックファーストさんにはしっかり売れ筋本も多面積みされていたし、新刊も配本されているようだった。うーん、坪数は「町の本屋さん」と一緒なのに、どうしてこうも差が出るんだ。もちろん他店から在庫移動しているってことはあるだろうが、やはり看板の違いってことなんだろうか。
うーん、結局「世の中」ってそういうことなのかな…。もちろん出版社に対するいろんな仕組みも結局大きいところの都合にあわされている気もするし。
まあ、よくわからないことばかりだけど、僕自身はそういう「世の中」が嫌いってことだけはハッキリしているな…。