飛田給駅から味の素スタジアムへ向かう道。駅前のたった1本、それも数百メートルの道なのに、やたらに警官が立っているのはなぜなのか?
確かに我らが浦和レッズとFC東京は、あまりよろしくない関係のチーム同士あるけれど、それにしては多いんじゃないか。もしかして警視庁。浦和レッズが負けて、開幕6戦勝利なし、俺たち暴動にかけていたりしてないか。オイオイ、お前ら、それは税金を無駄遣いってもんだ。休日出勤なんてしてないで、早く家に帰って寝てなさい。
なんて威勢の良いことを言いたいところだけれど、今週の水曜日以降、僕はずっと下を向いていた。サッカー観戦がこんなにつらいものだったとは…。ここ数年の好調で、すっかり忘れていたけどサッカー観戦とは本来「苦行」のひとつだったと思い出す。うう、勝てないってこんなにつらいことだったんだ、そして1勝することはこんなに大変だったのか。なんてまるで93,4年のツライ日々をシンクロさせて下を向いていたのである。
さて本日は、憎きFC東京戦である。
僕、一番好きな色は何ですか? と聞かれた当然「赤」と答えるが、一番嫌いな色はと聞かれたら「赤と青の組み合わせ」と答えるだろう。
だから先日はじめて「みなとみらい駅」を訪れ、階段を上っていたら吐き気がするほど怒りがこみ上げて来て、なぜなんだろうとビックリあたりを眺めたら、なんとこの駅、あろうことか通路の壁を赤と青のツートンに塗りたくっているではないか。もう2度と使うものか「みなとみらい駅」。とにかく生理的に赤と青を受け付けないというか、FC東京が嫌いなのだ。
しかもFC東京が嫌いなのは僕だけでなく、チームも同様のようで、嫌い過ぎて思い切り苦手。昨年のナビスコカップ決勝は当然思い出したくないけれど、それ以外もほとんど勝てたことがないのである。ここ味の素スタジアムに限っていえば、ナビスコの予選で一勝しただけで、あとは全部負けか引き分け、腹立つくらいやられてる。嗚呼。
大事な試合が始まって45分、まったく得点の匂いもなく、前半が終わる。FC東京のサイドに広がる3トップに対応した4バックがうまく機能しているのが救いだったが、これでは引き分けがいっぱいなのではないか。
無性にタバコが吸いたくなるが、すでに禁煙一年。ここで破っては沢野画伯に怒られてしまうとポケットに入れておいたバーボンをあおり耐える。
後半も同じような展開が続いたのだが、やっとサイドが上がり、そして絞り、その空いたスペースを長谷部が利用し、中に折り返す。僕は一瞬「誰もいねーところにいれてんじゃねーよ」と怒鳴りそうになったが、なんとそこに飛び込んできたのは我らがエメルソン! ここ5試合散々外してきたシュートも、やっと自主キャンプが終わってフィジカルが上がってきたようでしっかりゴールネットを揺らし、1対0。味の素スタジアム、炎上!!!!
さらにそれまで入る気のまったくしなかったコーナーキック。なぜか僕の目には堀之内がピッカリ輝いて見え、ほんとにその通り堀之内の頭にボールが流れ、今年2点目のゴール。ラッキーボーイ!!
その後も何度も何度もバーやポストに助けられつつも、ついに05年シーズン初勝利! まだまだ行けるぜ浦和レッズ。これからもたくさんの「ゴールで俺たちを熱くさせてくれ」。
それにしても試合後の道路には、なぜかあれほどいた警官が見あたらなかったぞ。やっぱり俺たちの負けにかけていたのか警視庁。くそ!
追)この日の試合後。ゴール裏からすでに引退して何年も経つ、水内猛のコールが響き渡った。
「み~ずうちたけし、ごお~る、ごお~る」
それは当然、TBSアナウンサー・小倉弘子との結婚に対しての祝福のコールである。
そう僕たちはファミリーなのだ。いつだって僕たちとともに闘ってくれた人は、家族なのである!