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2月21日(火)

 2月16日の午前11時14分以降、僕のシャチハタが無くなった。

 物をなくすのは日常茶飯事だから、またどっかから出てくるだろうと過ごした木曜日、あれ?ほんとに出てこないぞ、これじゃ交通費が精算できないなと慌てだし、机の大掃除を決行したのが金曜の夜。3時間もかかり机の中、下すべて清掃したのに結局出てこず、経理の小林に頭を下げて、100円ショップで代替のハンコを買ってもらった月曜日。

 事務の浜田は「誰かが持っていったんですよ」なんていうし、氷結松村は「ヒモでもつけて首からぶら下げておけばいいじゃないですか」と相変わらず冷たい。でもでも絶対この部屋のなかから外に出してないし、物理的に物が消えるなんて信じられない。おーい、俺のシャチハタ~と騒ぎ続けたのである。

 そして本日、何だか大盛り藤原の机の引き出しが光って見えるではないか。試しに開けてみたらそこにはシャチハタがあった。いや当然各自持っているものだからそれは「藤原」のだろう。でもでも。いや、藤原を疑っているわけでないけれど…。

 許せ、藤原。こっそりフタをとったら、なんとなんと「杉江」の名前が彫られているではないかぁ!!!

 ボカッ、ドスッ、ガタ、ボッ! 燃えろよ燃えろ、お前のプライドの旗!

2月20日(月)

『古道巡礼』高桑信一著(東京新聞出版局)に思い切りハマる。

 古道というとなんとなく熊野古道に代表されるいわゆる巡礼の道を想像されると思うが、この『古道巡礼』はもっと生活の道、例えばゼンマイ採りの径や塩の径など、今じゃほとんど自然に溶け込んでしまった径を辿るノンフィクションである。野田さんが川を下る人なら、川を登る人である高桑さんの著作が好きなのだが、うーん、『古道巡礼』は最高かも。しかも最近、なぜか小説が読めなくなってしまい、こういう民族学のような本ばかりなのである。

 ところがである。こういう本の感動を共有するのが難しい。小説だったらあの本読んだ? 面白かったよねなんてすぐに盛り上がれるのに、なかなか同好の士を見つけられずにいた。

 でもやっぱり好きな本の話が出来ないなんて淋しいぞ。うーん、誰だ? 携帯のアドレス帳を眺めつつ思い出したのが、かつての助っ人学生・横溝青年で、彼は旅ものとか山ものとかの自然系ノンフィクションが好きだったんだ。

 早速メールを打つと「僕も最近民俗学っぽい本にはまっているんで、読んでみますね」とうれしい返事。しかも「『凍』も良いけど山野井さんの自著『垂直の記憶―岩と雪の7章』山野井泰史著(山と溪谷社)と今月の『山と渓谷』も絶対読んで下さい」との別の本の情報も教えてくれた。

 持つべきものは、本の趣味が合う仲間である。

2月17日(金)

 池袋を営業。
 A書店のIさんと話しつつ、棚を眺めていたら妙に時代小説が多いような気がしだし、早速質問。

「もしかして時代の棚多いですか?」
「そうなんですよ、うちは年配のお客さんが多いんで、時代小説は大切です。文庫になっていてもやっぱり目につらいのか単行本を買っていただけるお客さんも多いんですよ」

 そういえば僕の父親に本を貸すとき文庫本を渡すと「これ読めないんだよ、字が小さくて」なんて返されるし、いち早く老眼になった小社浜本も文庫本を読むのがつらそうだ。世の中これから高齢者が増え、しかもその高齢者は本を読む習慣を持っていた世代だから、もしかしたら本当に大きな字の時代が来るのかも。それと合わせてもう一度四六判の時代が来たりして、なんて考えつつ、次なるお店L書店さんへ。

 担当のTさんに一昨日搬入した新刊『姿三四郎と富田常雄』よしだまさし著の売れ行きはどうですか? なんてまだ並べてすぐだからあまり期待せず聞いたら、なんとなんと初日で3冊も売れたというではないか。思わずTさんの手を取って喜びそうになったら、それでは変態。

 うん? そういえばさっき店内アナウンスで古書展がなんていってなかったっけ? おお、L書店さんの上でスペースでやっているという。これは、もしやとても良いタイミングで本を出せたのではないか? 古本者の皆様、ぜひ古書展の後には新刊書店もどうぞ。面白い本が並んでますから!なんて。

 夜は、横浜でY書店さんと酒。関内を出たのが22時48分。よく帰れたなぁ。

2月16日(木)

 昨日はとある地域の書店さんが集まる飲み会に参加。

 といってもいわゆる“飲み会”の雰囲気とはちょっと違い、2つのテーブルの片方に書店さん、もう一方に出版社と別れて座った。これは?と思ったら書店さんの集まるテーブルでは、各店枠を越えた販促ができないかと酒にも口を付けずに大まじめな議論がされていた。

 こちら出版社組というかぼくは何だかたがが外れてしまったかのようにアホみたいに酒を飲み手羽先を頬張っていたのだが、いやはや、オオゴトになる前の本屋大賞も、こんな感じで始まったわけで、どんな展開になるか期待大。

 そして本日新宿の紀伊國屋書店本店さんを訪問。
 大きい本屋さんは勝手に本が入ってきて、それを並べておけば売れるでしょう?なんてのはまったくの勘違いで、紀伊國屋さんもキノベスや手書きPOPやあるいは必見のバトルロイヤルコーナーなどととても努力されているのである。

 また細かいところの配慮もしっかりされていて、先日直納したコミック『千利休』清原なつの著はどこの分だったんだろう?と確認すると、なんと茶道の棚に平積みされているではないか。ああ、よく気づいていただけました。ありがとうございます。逆にこういう展開やっぱりアリだったのか、とこちらが教わる始末。

 で、こういう努力は各店あるいは書店全体で広がって、書店発の販促というのはある程度まで進んでいると思う。そろそろ書店さんにおんぶに抱っこでなく、出版社が新しい販促を考える時期なのではないか? なんかやりたいな。

2月15日(水)

 昨日訪問した元書店員、現古本屋店員のSさんは「気づくの3年遅かったよ、古本と新刊を一緒にやる本屋作りたいなあ。もちろんジャンルを特化してだけど」と呟いていた。

 その後向かった歴史時代書房・時代屋という時代小説&グッズ専門店の棚を見て、Sさんの想いがよくわかった。今の出版社が持っている在庫では、専門店といっても何だか薄っぺらいものになってしまうのだ。時代小説専門店ならあるべき本がすでに絶版品切れで、これではほとんど他の書店と変わりがない。もちろんこの時代屋はそこのヴィレッジヴァンガードさんの手法を取り入れグッズなどで補っているのだが。

 それは次にお会いした大型書店の店員さんの言葉でもわかる。フェアをやろうとしていろいろ発注してもその多くが品切れ・絶版で短冊が戻ってきてしまうそうだ。そうか、こんな状態だから書店員は経験職でなくなり、使い捨て状態になっていくのか。なぜなら数年前の知識が販売に役立たないのだから…。

 ってそれはまた別の話で、ならばもう新刊と古本を一緒に並べる本屋が出来てもいいんじゃないか? ミステリー専門店にミステリーの新刊と古本が一緒に並ぶ。あるいはあのジュンク堂池袋本店にもし古本も一緒に並び出したら、どれほどのボリュームになるのか? 図書館よりも図書館が、国会図書館?なんてことになるのでは。

 ムムム。ということは、もしかして逆もあり? 新古書店の例えばBOOK-OFFが、新刊も扱いだしたらどうなるんだ? 文庫とコミックだけでも、すごい影響が出るのではないか? 今や本屋さんのない地域(なくされた地域)にもBOOK-OFFがあるといわれるほどの出店数、いきなり最大手チェーンになったりして。しかも再販制がなくなったとしたら…。うーん、恐ろしい。

 ここまで考えて気づいたんだけど、新刊も古本も同等に扱うってことは、もうアマゾンがネット上でやっているわけで、あれのリアル化というのは不可能なんだろうか? 今、この場は単なるお客さんの視点で書いているだけなんだけど、これだけ在庫切れが多くなってしまった出版業界では、やはり新刊と古本が一緒に並ぶって、とても魅力的なお店だと思う。うーん。

2月14日(火)

 神保町を営業。

 我が愛する東京ランダムウォーク神保町店が、建物の老朽化のため今月いっぱいで閉店とのこと。特に代替地での再オープンもないとのことで、いやはやこの素晴らしいお店が無くなるなんて残念過ぎる。各棚を徘徊し、目にしっかり焼き付ける。うう、やっぱり良いよ、良すぎるよ。Yさんにその想いをぶつけたかったが、一番哀しみを背負っているのはYさん自身だと気づき、言葉を飲み込む。

 お隣、三省堂書店さんは大幅リニューアル。雑誌売り場が入り口近くに来て、通路幅も広がり、これはお客さんもゆっくり本を選べるのでは。奥に行く地図ガイドが1Fに降りてきていて(コミックも2Fに移動)、あれ? 何だか昔の三省堂さんってこんな感じのレイアウトじゃなかったけ?と妙なデジャブ感。まあ2Fも見やすくなった気がするし、これは成功なのではないでしょうか。

 といってもこちらの営業はまったく成功せず、ほとんどの担当者さんに会えず撃沈。それでもレッズ仲間とかつてお世話になっていた書店員さんと再会できたので非常にうれし。

2月13日(月)

 どこのお店に行っても人不足で、現場は悲鳴をあげている。「担当は?」「こっからこっち全部」とかなりのスペースを指さされ、「お休みは?」「ずいぶん休んでないなぁ」なんて。先日お会いした書店さんは無茶な出店の結果、通勤片道3時間(往復6時間)朝は5時起き、就寝は深夜2時。その顔は土色で、本気で心配になってしまった。

 そりゃ、きっと経営側も別の意味で悲鳴をあげていると思うけど、それにしてもと考えてしまうのは、これじゃ本来お店が持っているパフォーマンスが100だとしても、70とか80しか出せないんじゃないんだろうかと思うからだ。

 その過酷な現状に比べて出版社はどうだろうか? でもこっちは取引条件優遇出版社とそうでない出版社とではまったく状況が違うわけで、ここにはとっくの昔に二極分化があるわけで、「出版社は」と一括りにできない側面があったりする。

 どっちにしても新刊点数や新規出店で誤魔化すのもそろそろ限界を超えているし、個人の「好き」も生活(お金だけでなくいろんな意味を含めて)できなきゃしょうがない。

 うーん、どうすんの?

2月10日(金)

 清澄白河のR書店さんを訪問。
 ここの店長さんはかつて都心の別の書店で働いていたのだが、そのお店が閉店になってしまい、その後取次店の方の紹介で、こちらに転職されたのだ。

 猫は家につくというが、チビ営業マンは人につく。たぶんここでは本の雑誌社の本はたいして売れないだろう。でも、好きな書店員さんがいれば訪問するのだ。

 いやもしかしたら“棚についている”といった方がいいのかもしれない。ここの店長さんが作る棚が僕はとても好きなのだ。

 早速棚を徘徊し「良い本揃ってますね」と声をかけると「いやーやっぱり住宅地は難しいよ」とHさん。かつてのお店は、都心の繁華街にあったのだが、売れ方がまったく違うそうなのだ。

「コレって単行本が1冊売れたとするでしょ? 前だったらヨシって感じで補充するんだけど、ここでそれをやると、その後はまったく動かなかったりするんだよね。毎日同じ人が来るお店と、いちげんさんの多いお店はやっぱり違うね。でもさ、たまにごそっと単行本を買っていってくれる人がいたり、この棚全部欲しいっすね、なんて言ってくれる人がいて、まあ顔には出さないけど、うれしいよね」

 これからは雑誌とムックと単行本と文庫も全部一緒に棚に詰め込むお店にしようかな、なんて話されていた。今後の進化が楽しみ。

2月9日(木)

 2月に入って妙に飲み会が増える。
 やっと僕のところまで新年会が廻ってきたということだろうが、もちろん声をかけていただけただけでうれしく、ワンワンと馳せ参じ、帰りはオエオエとゲロを吐く。酒に弱いんだ僕は。

 本の雑誌社に入って損したなと思うのは、こういう飲み会を心の底から楽しめなくなってしまったことだ。何せ本や出版界のことを記事にする雑誌を作っているのだから、どこにネタが転がっているかわからない。

 もちろん『噂の真相』じゃないからゴシップネタ(こういうのはすごくいっぱい転がってる)は拾ってもしょうがないけど、この本が面白いとか、変わった販促があったとか、そういうものを拾うため、酔っぱらいつつもトコトンは酔っぱらえず、どこか頭のなかに冷えた部分を保っている。

 それから単行本の企画はもちろん当HPの企画も常に頭の片隅に置いておき、あっ! この人こんなテーマ持っているんだとか、この人にこういう方向で文章を書いてもらったら面白いんじゃないか?なんてことも考えている。そういうことを思いついた瞬間が、無茶苦茶楽しかったりする。

 だから飲み会から帰る電車のなかは忙しい。
 手帳を広げ、ネタになりそうなものを書き留めておき(ほとんど浜本にボツにされるが)、単行本やHPの企画になりそうなものがあればそれを考える。こうしたら面白いかな? とかこういう風にした方がいいかも。かつていた編集のカネコッチに「もっと考えて」と何度も言われたけど、ほんと考えるは難しいけど、楽しい。もちろんそれは編集的な企画だけでなく、こうやってやれば売れるのか?という営業の企画のことも含めて。

 なんて偉そうなことを書きつつ、本日は終電でうたた寝。
 危なく乗り過ごしてしまいそうになった。

2月8日(水)

 『本の雑誌』3月号“特集:全日本雑誌表紙王座決定戦”の搬入日。いつも数千冊の本の雑誌を運び込むのに人出が足らず、フラフラになってしまうため、本日は助っ人総動員令を出したのだが、なんとこんなときに限って編集部が早くやってくるという結果。おいおい、早く来られるなら、いつも来なさいね。まっ、楽に終わったから良いけど。

 総動員指令で、やたらいる(6名)助っ人達が、昼飯を食いながら騒いでいるので、なんだろうとわってはいると、先日、鈴木センパイ(なぜか同期なのにセンパイと呼ばれてる)のうちでやった鍋パーティーの話題であった。

 何だかアホみたいに飲んでしまって、気づいたら鈴木センパイは「親友とは」なんて叫んでいるし、タテノとアマノは肩を組んで奥田民生の歌を熱唱するは、テッペイはいつまでも悔い続けるは、モトイケはモトイケで腹を抱えつつ、その姿をビデオに撮るはで、まあ、いわゆる青春をしているんですね、こいつら。

 どの代を見ていても不思議に思うのは、彼ら彼女ら、大学も違えば歳も微妙に違うし、性格だって端から見ていると合いそうにないのに、妙に仲が良かったりする。まあ、共通点は変な奴ってことかもしれないが、いまどき時給700円で地味な仕事を文句も言わずやってくれる彼ら彼女らが、ここで金では買えない付き合いを見つけられたらそりゃこちらとしても幸せだ。

 もしこんなヘンテコな奴らと一緒にバイトをしたいと思う大学生がいたら、『本の雑誌』3月号三角窓口(P80)を見てください! ファンキーなアホどもと、本の話だけはいくらでも付き合いますので…時給は安いけど。

2月7日(火)

 とある書店さんを訪問し、文庫売り場を徘徊していたら、赤川次郎を大展開しているではないか? いや大展開しているのは当然なのかもしれないけれど、わざわざ手書きの看板が立っていて「大人にもおすすめ」みたいなことが書かれているから注目したのである。

 そこには『湖畔のテラス』(集英社文庫)が多面積みになっていたのだが、そこについている帯を観て、さらにビックリ! 「本の雑誌短篇特集で激賞」の文字があるではないか!! えっ?! 激賞??

 確かに『本の雑誌』2005年4月号で秒速百メートルの短篇特集なんてのをやっていて、そのなかで関口苑生さんが、「おすすめ短編小説20作」の1作としてこの『湖畔のテラス』に収録されている「離婚案内申し上げます」を推薦している。が、しかし、それがどうしてそれが本の雑誌で激賞に変換されてしまうんだろうか? せめて「関口苑生氏、推薦」とかならわかるけど。

 しかも会社に帯使用の連絡も入っておらず(通常こういう場合、出版社から使用許可の連絡があり、帯なら帯のPOPならPOPのゲラを見せていただく)、とても不愉快。いや使っていただくのは、こちらにとっても広告になるからうれしいんだけど、内容に合わない言葉の置き換えと、これでは関口苑生さんに大変失礼ではないか!

 うーん、何だか腹が立って次のお店に向かうのがイヤになってしまったが「平常心、平常心」と呟きつつ、営業を続けた。

2月6日(月)

 朝、コーヒーを飲もうと給湯室に向かったら、トイレ掃除を終えた経理の小林が、うずくまっているではないか。しかも額には大粒の脂汗が! あわてて声をかけると「腰の辺りが…」と呟く。おい! 救急車!!と叫んだら、小林は「良いです、大丈夫です」と必死に制止。

 こういうとき日常では吠えてばかりでほとんど役立たない事務の浜田が俄然、力を発揮する。何せ彼女は福祉系の大学を出ているので、病人というかなんというか、弱っている人と接するのがうまいのだ。

 その浜田がすぐに2Fの倉庫に走り、徹夜用の布団を抱えて降りてくる。作業机を急遽ベットにし、小林を横にする。そして口元に耳を近づけ、「どんな感じですか?」なんて聞く姿。うーむ、お前、絶対働く場所間違えているぞ。しかも、あたふたしている僕と松村を尻目に、ちょっと行ってきますと外に飛び出すや、近くにある病院のお医者さんを連れて来てしまったではないか。

 そのお医者さんは本来産婦人科内科の先生なのだが、小林の症状をみるや「これは尿路結石かな。とにかくうちに来て痛み止めの点滴するから」と連れて行ってしまった。尿路結石? ほんとかよ?

 小林はその後、数時間点滴を受け、本人の希望でかかりつけの病院で検査を受けた。するとなんとなんとその言われたとおりの尿路結石だったらしく、いやー、お医者さんって凄い!

 とりあえず薬を飲みつつ、石が出るか、安定するかを待つらしいが、そういえば顧問・目黒も数年前、尿管結石やったよな。あのときは仕事部屋で発症し、悶絶の苦しみで二進も三進もいかなくなっていたところ、たまたま部屋を訪問した浜本が発見したのだ。本の雑誌社って、もしかして石を作ってるの?

2月3日(金)

 とある書店さんで3月刊の新刊『中年授業』目黒考二著のチラシを出したら、ああ、ちょうど良い新刊だぁと妙な喜ばれ方をし、ビックリ! 

「いやー、おじさんフェアをしようと考えていたところなんですよ。題して『レオンになれない男たち』」

 ドンピシャ過ぎます。というわけで、大量の発注をいただき、帰社。
 全国の書店さん、いかがですか?

2月2日(木)

 リクルートの雑誌『スカウト』からビジネスオタクとして取材を受ける。

 色物ならともなく、僕自身、決してビジネス誌に顔を出すようなビジネスマンではないし、またワーカーホリックでもないので、誤解されているのではないか?と生意気にもお断りしたのだが、どうもそういうことでなく、好きが仕事になった人みたいなイメージらしく、本屋オタクが本屋大賞を作ったみたいな流れというか、その取材者さんも相当しっかり本屋大賞を認識していただいていたので、それならば有難いということで、気持ちよく取材を受ける。

 しかし、この雑誌、かなりビジュアル指向が強く、何と生まれて初めてプロのカメラマンとメイクさんに囲まれ写真を撮られてしまった。しかも同じく実行委員の高頭さんに無理を言って、ときわ書房聖蹟桜ヶ丘店の売り場で撮影したのである。うーん、恥ずかしい。そして果たして我が間抜け面がどんな顔で雑誌に載るのか楽しみであり恐ろしい。

 それにしても僕は本屋大賞を作ったというよりは、本屋大賞に育てられていると思う今日この頃。

2月1日(水)

 東横線を営業。

 自由ヶ丘の青山ブックセンターさんで担当のTさんと話しているとお客さまから問い合わせ。
「入試の過去問とかってありますか?」
「スミマセン、うちは扱ってなくて…」
「そうですか…。自由ヶ丘でどっかないですですかね?」

 思わずTさんを顔を見あわせしまったが、そのとき僕の頭に浮かんだのはかつて駅前のビルにあった三省堂さんであった。確かあそこは学習参考書が揃っていた。が、しかしそこは閉店、移転しお店が変わってしまったはず。F書店さんはすでに覗いたとのことで、ブックファーストさんはあったけ?

 お客さんの背中を見つつ、Tさんは
「青山らしさも出しつつ、お客さんに聞かれるものを置いていこうと思うんですよね」と話される。お店は店員さんとお客さんが作っていくってことだろう。

 我が愛する町の書店、菊名のP書店さんを訪問すると何だか変?
 おお隣にコンビニがオープンしているではないか。こりゃ雑誌が…と思ったら、その通りらしく、なんとそれどころかそのコンビニの隣に、ビデオ、CDも扱う複合書店が出来るとか。

 「もう辞めたいよ」とこぼされるH店長に、かける言葉も浮かばず、哀しくなって横浜へ。嗚呼。

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