12月27日(水)
本日でいちおう仕事納め。いちおうというのは、終われば休めるということで、果たしてどうなるだろうか。年賀状、終わるかな?
たぶん去年も書いたと思うけれど、チビ出版社に勤めていると「よくぞ一年もったなぁ」と最終日にはホッとする。これもすべて読者の皆様のおかげです。社員一同、無事、年が越せそうで、本当にありがとうございました。そして2007年もよろしくお願いします。
2006年の仕事をふり返ってみると、よしだまさしさんの渾身の書き下ろし『姿三四郎と富田常雄』が本年最初の新刊で、その著作がほぼ絶版というなかでの営業だったが面白い本なのでまったく苦にならず楽しんだ。4月の本屋大賞ではすでに売れている本『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』リリー・フランキー著(扶桑社)が受賞したことに散々言われ激しく落ちこむ。しかしその後、書店員さんの気合いの展開等で120万部を200万部まで売り伸ばしたことは誰も指摘してくれず、残念無念。すでに売れている本ではあったけれど、一段と売れたんだよな…。
その後は僕自身が暖め続けてきた企画『エンターテインメント作家ファイル108 国内編』北上次郎著がついに単行本に。感動とともに営業して周り、おかげさまで間もなく重版というところまでこぎ着けた。海外編を…とも考えているのだが、これが片づけられない人の原稿を探すのは本当に大変で、今気力が沸くのをじっと待っている。またもうひとつ忘れられないのは『二人目の出産』でこちらもまるで自分の子供のようにカワイイ本だ。先日読売新聞のくらし欄で紹介され、ジワジワと売れ出していて嬉しい限り。
トドメは『おすすめ文庫王国2006年度版』で、たぶん企画的には過去同増刊のなかで最高の出来と自負している。それが売上に繋がるかは、出版の難しいところだけれど、どうにか伸びて欲しい…。
また他社本であるけれど、酒飲み書店員大賞『ワセダ三畳青春記』高野秀行著(集英社文庫)がしっかり売れたことはとても嬉しかった。事務の浜田からは「どうしていつも他社本ばかり売るんですか!」叱られたりしたが、何せ愛する作家・高野秀行さんなんだから許してくれい。
さて本業営業に関しては、ダメだったと激しく反省している。どうしても他の仕事が増えてしまい、訪問が疎かになっている部分があった。来年は、もう一度原点に戻ってしっかり書店さんを廻りたいと思っている。
サッカーはもう何もいうことがない。やっぱりリーグチャンピオンは最高に幸せで、その瞬間をさいたまスタジアムで迎えることができ、過去の人生のなかでも最良の年といってもいいのではないか。まあ、ナビスコカップが獲れなかったのが残念だけど、来年はACLチャンピオンになってアジアに浦和レッズ旋風を巻き起こしたい。
読書に関しては、2006年は吉村昭と開高健さんの面白さに気づいた年として今後も記憶に残るだろう。ちなみに今年の小説のベスト1は『一瞬の風になれ』佐藤多佳子(講談社)でノンフィクションは『黄泉の犬』藤原新也(文藝春秋)。
この日記は、何度か滞りながらも、どうにか継続。5年以上このペースで続いてるというのは表彰ものなのではないかと個人的に思っているけれど、会社では誰もそんなことを言ってくれない。来年もこのまま続く予定だが、もしかしたら浜田公子の『アセトアルデヒト日記』に変わっているかもしれない。そのときはご了承ください。
天皇杯がまだ終わってないので、恐らく僕の2006年は1月1日まで続くと思いますが、当日記の2006年の更新は本日で終了です。ご愛読ありがとうございました。そして気を悪くするような文章がありましたら、申し訳ございませんでした。