WEB本の雑誌

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3月27日(火)

 藤沢周平『橋ものがたり』(新潮文庫)を読みながら、先日オープンしたばかりの紀伊國屋書店流山おおたかの森店に向かう。つくばエキスプレスに乗って、まさに開発途上の沿線を見ていたときは、こんなところに930坪? なんて心配してしまったが、なんとなんとオープン直後に訪問したにも関わらず、紀伊國屋書店さんにもショッピングモールにもかなりのお客さんがいらっしゃるではないか。さいたま新都心店同様、駅直近のショッピングモールなので平日もこうやってお客さんが入るのか。すごいな。

 早速N店長さんにご挨拶。Nさんには仙台店で一度ご挨拶しているので、すんなりお話を伺える。「児童書、学参、医書に力を入れて売り場を作ったんですが、今のところ期待通り伸びていてありがたいです。また結構年配のお客さんも多くて、これもうれしいですね」とのこと。

 そこへ新宿本店のIさんが応援にやってくる。Iさんは部類の本読みなのでつい「最近どんな本読んでるんですか?」と伺うと「いやー新刊が全然読めなくて、時代小説ばっかりなんですよ」「時代小説?」「藤沢周平ばっかりです」同士発見! とばかりに、しばし藤沢談義。

 その後は柏から常磐線を営業するが、北千住のK書店さんを訪問した後、しばし悩む。

 というのも僕の常磐線営業ルートではこの後訪問するお店がもう1軒あるのだが、実はそのお店、なるべく訪問したくない。それは決してそのお店が嫌いだとか店長さんが怖いからとかでなく、事実はまったくその逆で、そのお店に行くと、営業どころでなくなり、単なるお客になってしまうからだ。棚をじっくり見て、本を買いたくなってしまうのだ。

 そのお店は、千駄木の往来堂さんだ。

 でも久しぶりにOさんに会いたいしと結局、千駄木で下車。お店を覗くが残念ながらOさんは不在のよう。じゃあ帰れば良いのに、ならばじっくり棚を見られるなんて考えてしまったのはなぜなんだろう。しかも給料日前で金欠状態なのに、いつの間にか『日本の生きもの図鑑』講談社編(講談社)なんて本をレジに持って行っているし。うーん、いつかあぶく銭と携帯椅子を持って、そして注文書は待たずにここへ来るぞ。覚えてやがれ、往来堂!

3月26日(月)

 本日より当営業日誌がマイナーチェンジ。一番恐れていた過去日記への一発ジャンプボタンが付いてしまった。恥ずかしいし、苦しい。

 通勤読書は藤沢周平『暗殺の年輪』(文春文庫)。実は終末の家族旅行中も『藤沢周平のすべて』と『藤沢周平の世界』(ともに文春文庫)を読んでいて、もはや僕は藤沢周平に取り憑かれているといって良いだろう。

 新刊や話題作を読まなければと思うんだけど、気がつくと文庫棚の「ふ」の前にいて、未読の藤沢本を購入している毎日。これではまるで『おすすめ文庫王国2006年度版』で佐伯泰英完全読破に挑んだ助っ人・関口鉄平ではないか。

 神保町、田町、渋谷とロードランナー営業。神保町ではレッズサポ仲間のS出版社のヤタ公と遭遇。「オタクサラリーマンを漫画化した『ぼく、オタリーマン。』が売れているらしいよ」「じゃあ、サポーターサラリーマンを漫画化して『オレ、サポリーマン。』を出しなよ」なんて会話を交わしつつ、埼スタでの再会を約束し別れる。

 夜は、本屋大賞発表会のリハーサル。あと一歩。じわじわと緊張し出す。

3月22日(木)

 明日は家族旅行でお休み、なのだが、ちょっと具合が悪くなってしまい、病院に行ってから出社。旅行の前に体調を崩すなんて、まるで子供ではないか。

 通勤読書は高野秀行さんの幻になっていった作品『アヘン王国潜入記』(集英社文庫)。随分前から絶版になっていて、僕は図書館で借りて読んだくちなのだが、この度、ついに文庫化されたので再読。高野さん自身「文庫のあとがき」で自分の背骨になる作品と言っているが、本当にその通り。いろんなことを考えさせられる素晴らしいルポルタージュだ。

 コートのいらない春のような陽気のなか、営業。薬を飲んだ影響からか、すこしフラフラしていたのだが、水道橋のA書店Yさんも棚替えの真っ最中でフラフラだった。そういえば会社の連中もみんなフラフラで、いやはや3月はやっぱり大変だ。

3月20日(火)

 どうして俺はこんなところにいるんだ。明日は我が浦和レッズが世界に羽ばたく日だというのに。ああ、シドニーに行きたかった。

 約1ヵ月ぶりに顧問・目黒と再会。目黒は、週一ペースで会社に来ているのだが、来る時間が日中のため、僕は営業に出かけており、ずっと会えなかったのだ。

 京王線の営業へ。某書店さんで、とある営業マンが近々退職されるという噂を聞く。そういえば散々世話になっている別の営業マンも確か今月で退社。出版業界(営業)は今年のJリーグのようではないか。

 営業を終えて、会社に戻り、山のようになったデスクワークを片づけようと思ったところに、昨年助っ人を卒業し、某出版社に就職していったTが顔を出す。800ページの雑誌を校了したとあって、とってもスッキリした表情。「飲みに行きましょうよ」と誘ってくる。

 すっかり元気になった鉄平も鈴木先輩も本池も同様に誘ってくるので、意志の弱い僕はフラフラとついていくことに。そして大メシぐらいの鉄平のリクエストで焼肉屋に入る。

しばらくするとアマノッチもやって来て、就職活動の話。どこの出版社の試験にも本屋大賞が出るとか。彼らはその1回目から発表会等の手伝いをしているのだか、その問題は難なくクリアーできるだろう。なんなら自分がアンベールしたんですよ、くらい面接で威張ってこいというが、「いやいやいや」なんて尻込みする。

 ビール3杯飲んだところで、気づいたら酔っぱらっていて、偉そうに出版談義をしてしまう。するといつもは僕の話なんてまったく聞かない鉄平はじめ他の助っ人が真顔で僕を見つめ、うんうん真剣に話しを聞いているからあらびっくり。もしかしてこういう話し、好きなの?

3月19日(月)

 娘の卒園式に出てから出社。
 入園時、あれほど嫌がった幼稚園だったが、その後は風邪を引こうが、熱を出そうが行きたがり、休ませるのに苦労したほどだった。娘よ、ありがとう。そして頑張ったね。

 通勤読書は『三屋清左衛門残日録』藤沢周平著(文春文庫)。映画モノ『たそれが清兵衛』、『隠し剣 孤影抄』『隠し剣 秋風抄』『蝉しぐれ』と読了し、はて次は?としばし悩んだのだが、こんなときこそご隠居の出番。というわけで顧問・目黒に電話し、うかがった、推薦作『三屋清左衛門残日録』を読み始めたのだ。

 50代半ばにして息子に家督譲り、隠居した三屋清左衛門が、隠居しつつも、友や藩に頼られつつ活躍する長編小説。これはまさに目黒の夢だろう。というかその年頃になったら、絶対読み返すだろう小説だ。特に親心を描いた『梅雨ぐもり』、生きる力を描いた最後の『早春の光』が胸に迫る。はて次は何を読んだらいいんだ?

 夜は、とある書店さんととある出版社さんと酒。まだ出ていない本の話しとそのなかでどれが来年の本屋大賞になるかなんて話で大いに盛り上がる、ってまだ今年も終わってないのに…。そんななか印象に残ったのはこんな言葉だったのだが

「本屋大賞ですけど、おそらく初めの年は、うちの会社から誰も発表会に行ってない、っていうか本屋大賞自体知らなかったかも。それで2年目になって、これは誰か一度見てきた方がいいんじゃないか?なんてなって、それが今じゃ、みんな行きたがって困ってくらい」

 それもこれも『博士の愛した数式』をはじめ歴代受賞作が売れたから注目されたわけで、売れるということは大事だ。ただし本屋大賞はそれだけでないことを是非、注目して欲しい。1冊1冊の投票された本に、書店員さんの気持ちが込められているのだ。

3月17日(土) 炎のサッカー日誌 2007.03

司会 「さあ、やって参りましたクイズ16人に聞きましたのお時間です。今回の出題は、埼玉スタジアムの208ゲート付近にいらっしゃったレッズサポーターの方に伺ってきました。『レッズの試合の日と同僚の結婚パーティが重なった場合、あなたならどうする?』です。まずは本の雑誌チームの浜田さんどうぞ」

浜田 「えー! そんなの悩む必要ないでしょ。だって同僚ですよ、下手したら家族よりも一緒にいる時間が長いわけで、いろいろお世話になったり世話したりなんですから、当然そんな同僚の門出なのですから、結婚パーティーに行くに決まってますよ。」

司会 「さぁ、どうですかねぇ。では聞いて見ましょう『結婚パーティーに行く』。あるかないか」

観客 「ある、ある、ある、ある、ある、ある」

司会 「ブー。残念。ありませんでしたねぇ。じゃあ、次は経理の小林さん、どうですか?」

小林 「そうですねぇ。サッカーも好きだし、同僚も大切。じゃあサッカーを前半だけ観て、そのあと同僚のパーティーに行く」

司会 「おっ! 大人の意見ですね。果たしてあるかどうか?」

観客 「ある、ある、ある、ある、ある、ある」

司会 「ブー。残念。いやー、これで×ふたつ。あと1回しか回答権がありません。さあ、大切な最後の回答は顧問の目黒さん、さあどうぞ」

目黒 「みんなおかしいですよ、だってね、僕は土日に毎週競馬に行っているんですが、土日の講演以来とかテレビ出演とか例えそれが仕事でお金をいただけるとしても絶対断りますよ。もう競馬が大事。家庭よりも何よりも競馬が大事。だから同僚の結婚パーティーなんて行かず、サッカーに行く!」

司会「かなり自身があるようですねぇ。では答えは」

観客「ある、ある、ある、ある、ある、ある」

司会「ピンポーン! 1位の回答です、しかも16名全員が『サッカーに行く!』だそうで、いやー良かったですね。これで本の雑誌チームはハワイ旅行の挑戦権を得ました。皆さん頑張りましょう!」

★    ★    ★

というわけで、本日は編集の氷解松村の結婚パーティーがあったのだが、列席を断り埼玉スタジアムへ向かったのである。会社では非難囂々「松村よりお前の方が冷たい」なんてボロクソに言われてしまったが、取次店K社のYさん始め、J社のHさん等我がレッズサポ仲間16名に聞いたところ、みんな僕と同じ行動を取るだろうとの返事。中には出産間近のC社のUさんも混じっていたのだが、彼女なんて自分の出産よりもレッズが大事とばかりに、ゴール裏に陣取って居るではないか。まあ妻も含め多くの人が理解してくれないサポーター魂とはこのことか。

 先日に新潟戦の悪夢が頭をよぎるが、それ以上に甲府が悪い。昨年同様、戦術は浸透していて、前からプレス、ボールも回るのだが、いかんせんコマ不足。バレーの移籍はあまりに痛い…てんことを阿部を獲ったりしている我が浦和の人間が言っては問題だが、そのおかげで、何度かゴールを脅かされるがまったく決定力なくあしらうことができる。

 後半になって、完全な浦和ペース。ワシントン、ポンテの間を永井がつなぎ、そこへ割ってはいるのが、なぜそこにいるんだ男・闘莉王で、DFとは思えないオーバーラップはもちろん、ワシントンへのアシストとなったパスの精度はもはやFWかMFクラス。その後のポンテのアシストも素晴らしかったが、危なげなく勝利。

 開幕以来、イマイチ煮え切らない試合をしているのだが、少しずつボールも廻りだしたし、この日は長谷部誠がケガから復帰したりして、ジワジワと上昇気流に乗りだしたようだ。


★    ★    ★

試合終了後、レッズバカ仲間、前の会社のYさんやMさんと酒を飲んでいると浜田から着飾った松村の写メールが届く。その頃には酒と勝利でベロベロに酔っていたので、アカンベーをして写メールを返す。ああ、これでまた信頼を落としたな。

まあいいや。僕は人間である前にレッズサポなのだから。

3月16日(金)

 中央線を営業。といっても端から端まででなく、ちょうど真ん中あたり。
 他の会社は沿線ルートや地区で営業担当が分かれていたりするから、どう配分しているのかわからないけれど、ひとりぼっち営業の僕は、中央線を3つに分けてルートを作っている。東京駅周辺はそれだけで一日営業になってしまうので、はまた別に分けているが、水道橋~中野までと、高円寺から吉祥寺まで、それと三鷹から立川といった区分けをしており、本日はその真ん中だ。ちなみに八王子は京王線に振っていたりして、この辺のルート制作は営業マンの癖があるかも。

 僕の好きな書店を大中小でひとつづつ計3つ挙げろといわれたら、中規模点の筆頭として挙げるのが、啓文堂書店吉祥寺店さんだ。棚はキレイに整理されているし、その棚のなかの本もふと気づくと変わっていたりして、担当のMさんがかなり手を加えていらっしゃるのがよくわかる。

「最近、外文がいいんですよ。G・ガルシア=マルケスの全集なんていつも初回分で足りなくて追加追加で、中には三桁届いたのもあったりして」

 他にも『薔薇の名前』とかが平積みされていてしっかり売れていくとか、新刊台にドンと積んであったポリス・アクーニンのシリーズ(岩波書店)も追加注文を出したとか。とても他の書店さんでは聞けないような外文絶好調状態なのだが、それもそのはずオープン以来、しっかり外文の棚を作り続け、そこにお客さんが付いて来てくれたといことなんだろう。やっぱりお客さんってしっかり見ているんだよなぁ。

 その後は吉祥寺のお店を廻るが、担当者さんがお休みだったり、他の出版社さんと話しだったりで、なかなかうまく行かず、こういうときは河岸を変えるに限ると、阿佐ヶ谷へ。こちらの書楽さんも僕の好きな書店さんのひとつなのだが、ここでは店長のMさんと本&競馬談義。しかしMさんの読書量はすごい。いつも教わるばかりなのだが、本日は藤沢周平について、しばしお話。

 さて次はと思ってお店を出ると、駅前のロータリーに消防車や救急車がサイレンを鳴らし駆け込んでくる。なんだ?なんだ?と見つめていると、駅で人身事故があったとか。ということは電車は動かないわけで、どうしたらいいんだと途方に暮れる。バス? 歩き?

 うーん、と唸ったところで閃いた。そういえば駅前の古本屋さんで以前飲み会でお会いしたSさんが働いていると言ってなかったか? すぐそこだし。というわけで覗いてみるとSさんはレズに立ってらして、何だかもはや立派な古本屋のご主人のようではないか。しばし近況報告などを話していると、こんなこともやっているんですよとご案内をいただく。

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深川いっぷく&リコシェ共同企画
「新春・彷書月刊まつり」
ー3月のいっぷくは古本三昧ー
2007年3月7日(水)~3月25日(日)
●11時~18時 月・火定休
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 皆さん面白そうなことやってるんだなぁ…と思いつつ、お店を後にすると、電車も動き出しており、それに乗って営業の続き。

 夜は神保町の某会議室に集まり、本屋大賞の会議。4月5日の発表会の準備なのだが、本当にこんなこと去年やったの?なんて思うほど、仕事の山で、いやはや驚く。毎年少しは楽になるかと思っていたのだが、そういうもんじゃないんだな。滞りなく会が進行できるよう、今年も頑張ります!

3月15日(木)

 朝、出社するとすぐさま内線が鳴る。

 相手は2階の応接間兼『本屋大賞』編集作業所で、ここ数日カンヅメになっている浜本だった。

「すぎえ~」
かすれ声で浜本が呟く。ついに橋を渡ってしまったのかと思ったら予想外の言葉を続く。
「俺、ダメだ、涙が止まらないんだよ」
「えっ?」
「書店員さんの投票コメントがものすごく良くて、ひとつ読むたび、どっと涙が溢れちゃうんだよ。ああ、本屋大賞やっていて良かったなあ」

 そうなのだ。僕も二次投票が終わってから、そのデータを代打編集者のカネコッチに渡すために加工しつつ、投票コメントを読んでいたのだが、いやはやみんな想いのこもった投票コメントばっかりで、何度も胸が熱くなっていたのだ。

「みんなさあ、この増刊号ちゃんと読んでくれるかな?」
「え?」
「大賞本のコメントだけじゃなくて、一次投票の1票しか入らなかった本とかにも、良いコメントいっぱいあるんだよ」
「そうですよね。読んでくれますよ」
「そうかなぁ。ああ、ちゃんと読んで欲しいなあ」
「読んでくれるように作りましょうよ」
「そうだなあ、あとちょっとがんばろう」

 浜本が呟く後ろでは、浜本がイッてしまったときに必ず聞く、レッド・ツェッペリンの曲が流れていた。

3月14日(水)

『笹塚日記 ご隠居篇』の見本を持って、取次店さんを廻る。

★    ★    ★

 あれはいつのことだったか、おそらく安田ママさんかブックファーストの林さんに営業で訪問した際「やっぱり読者としては雑誌の連載を単行本にする際は何か工夫があって欲しいですよね、売れ行きだってもちろん違うし」なんて言われたことがあった。

 そりゃ僕だって読んでいる雑誌の連載が単行本になるなら、そのままではなく、あとがきはもちろん、図版であったり、写真であったり、おまけが欲しい。ごもっともです、と心に刻み、連載から単行本にする際は、何か工夫しようと考えている。もちろん出来ないことも多いけれど。

『笹塚日記』を作るときも、その頃の単行本編集者カネコッチから「どうしよう?」と話し合い、自分が読者だったら何が良いか?と考え、食べ物や街の写真、キャプションを入れることにしたのだ。本当は笹塚の地図も入れたかったのだが、カネコッチからもう勘弁してくれと泣きつかれたのを思い出す。

 言うは易く行うは難しってことか? まあ言うのも(思いつくのも)大変なんだけど。ちなみにこんなことを言っていると、編集者は基本的に僕に近付かないようになるのだが、他のことはいくらでも妥協するけど、本のためには妥協はしたくない。というわけで、こちらから無理矢理近づき、あれこれ指示をだす毎日だったりする。

 その後『親子丼篇』や『うたた寝篇』では写真を辞めて、目黒さんと社員との対談を掲載したのだが、それも何だかおこがましいし、読者にとっては邪魔かもしれないとちょっと反省。そこで今回の『ご隠居篇』では最終巻なので、ここは最後だからこそできることをしようと考えたのが、笹塚日記の登場人物による目黒さんや笹塚日記へのコメント掲載だ。

 そのコメント原稿が届くたび、編集の浜本は「ククク」なんて笑いつつ、「編集者の醍醐味はやっぱりこういう原稿が一番に読めることだよな」なんて、珍しくカッコイイことをいっていたっけ。ノーギャラなのはものすごく格好悪いけど…。ありがとうございました、皆様。

★   ★   ★

 読者と目黒さんが喜んでくれたらいいな、と思いつつ、取次店を廻る。
 3月20日(火)搬入。お楽しみに!

3月13日(火)

 直行で川越と大宮を営業。川越は午前中からかなりの人出で、書店さんも混んでいてびっくり。そのことを相棒とおるにメールすると「川越は観光都市化成功し、数年前から人出がすごくなっているんだよ」と早速の返事。さすが歩くアド街ック天国。

 会社の戻ると鉄平はインフルエンザで実家に帰ったとのこと。旅の疲れが出たのかな? とりあえずイケメン集団BMAPもいるし、お笑い芸人系のサッシーと待望の女子も入ったので、ゆっくり休んでていいぞ、鉄平。

 今月の新刊『笹塚日記 ご隠居篇』の見本が無事出来上がる。あれ? 目黒さんが予約分にサインしに来るんじゃなかったっけ? と事務の浜田に聞くと「ハイハイ、いつもどおり忘れていたそうですよ」とのこと。町田に移ってから一段と物忘れが激しくなっているような気がするのだが、大丈夫だろうか。

 その事前注文の〆作業が終わったのが7時。そこから本屋大賞のリリースやら招待状やらの用意と『笹塚日記 ご隠居篇』の予約して頂いた方へのおまけを作り終えたのが9時過ぎ。あっ! 12時間も働いているぞ。

3月12日(月)

自分で言うのも何だけど、恐ろしく不機嫌に出社。理由は当然我が浦和レッズだが、思い出したくもないので、ここでは書かない。

気分転換に読み出したのは、積ん読になっていた『ツアンポー峡谷の謎』F・キングドン・ウォード著(岩波文庫 青478-2)。1924年、植物学者の著者が神秘に包まれたチベットの奥地へ旅したときの探検記だ。こういう話が大好きなのだ。

会社に着くと、鉄平から電話。そういえば事務の浜田から「最近、鉄平は仕事を舐めきっている。毎日遅刻してくるし、その連絡ない! 怒ってください!!」と言われたいたのだ。よし! ここはストレス解消で一発ぶちかましてやろうかと思ったら「ゴホゴホ、風邪を引いてしまいましたので今日のアルバイトは休ませてください」とのこと。あや? お前が、運がいいな。

鉄平が突休したので、本日のアルバイトは小野君ひとり。しかし本日は「本の雑誌」4月号の搬入日だから、ツメツメ作業をしなければならないではないか。鉄平と小野君の二人でも足りないくらいなのに、ひとりじゃとても終わらない!

というわけで予定をすべてキャンセルし、ツメツメ作業を手伝う。昼からは結婚を機に、氷解した編集の松村も加わり、黙々とツメツメ。その脇で発行人の浜本は、恐ろしい進行の「本屋大賞2007」の編集作業で、「ウリョー」とか「フゲー」なんて叫びつつ、十八番の「ズンズン音頭」を歌い出す。

ツメツメ作業が一段落したので、柴口育子さんが探し廻っている「Ane Can」を手に入れがてら営業に出る。都心には結構あるのに、地方(といっても関東なんですが)にはまったくないらしくヤフオクで倍の値段で売られているとか。

早速、笹塚の紀伊國屋書店で見つけたので購入。しかしこの重さどうにかならないんでしょうか? というかこれだけ重かったら勤務先じゃ買わないで、地元で買うだろうな。ちなみに帰社後、会社のハカリで量ったところ、2kg計を振り切ってしまったではないか。もしかして現在雑誌担当者さんは筋肉痛だったりして。

夕方会社に戻り、アルバイトの面接。僕は本当に何でも屋だな。マツモトキヨシになれるかな? ああ、今日は早く帰ろう?

3月9日(金)

 丸善日本橋店さんがオープンしたので、早速訪問するが、あまりのお客さんの多さにびっくり。
レジには10人以上の受け手がいるにも関わらず、「こちらが最後尾です」なんて、まるで浦和レッズの当日並びみたいにプレイトを掲げた店員さんはいるは、棚まわりにも人、人、人。丸善ファンというか、日本橋丸善ファンが、この日を待っていたんだろうな。

 しかも棚柱はレンガ積み風に仕上がっているし、床の一部はテラコッタが貼られているし、丸の内店さんのオープン時の什器にもびっくりしたが、ここもすごい力の入れようだ。

 そして何より驚いたのは棚の方もしっかり作られていて、開店当日とは思えない(いや本当はこれくらい作り込むのが他の商売だったら当然のことなんだろうけど)落ち着きぶり。もうすでに何年も営業していたような感じだ。昨日訪問した丸善川崎店さんもそうだったのが、棚の先端で背表紙を揃える念の入りようで、丸善さんの底力を見た気がする。

 それにしてもお客さんの年齢層が非常に高いような気がするのは気のせいか。午後3時頃の訪問だったからもしれないけれど、ほとんどが50代以上、あるいは60代以上の人で、そのせいか早速時代小説の棚はポツポツと本が抜けていた。もしこのままこういう層に師事されていくのであれば、それはそれでこのお店の販売データは面白い傾向を示すのでは。そしてそのデータは地方のハッピーリタイア組の多い住宅地には活かせるのではないか。

 うーん、それにしても今月の出店及びリニューアル増床は凄すぎる。ジュンク堂さん、紀伊國屋さんの新潟に始まり、紀伊國屋書店さんだけでも、前橋、流山、横浜ららぽーとなどなど、ある人が計算したところ、今月だけで1万坪売り場が増えるとか。いやー、日本の書店は、そして出版はどこへ向かっているんだろう…。

 どこへ向かっている?といえば、今まで紙と本に思い切り拘っていきてきて、携帯とかネットで本を読むなんて考えたことはなかったのだが、これだったら読めるかもと思ったのはニンテンドーDSだ。あれを縦に持って開けば、まるで本のようだし、あの棒で突いてページをめくるなら抵抗ないかも。

 そんな話を書店さんでしたら幾人もの書店員さんが「私もそう思っていたんですよ」なんて言ってくるではないか。カセットなら本ほど邪魔にならないしと。うーん、大手版元はもうすでに開発しているのだろうか?

3月8日(木)

川崎を営業。

多くのお店で「AneCan」は完売しているではないか。雑誌不信のなか信じられない光景だが、「そもそも刷り部数が少なかったのでは」なんて不満を漏らしている書店さんも少なくなかった。

しかし、これは後日聞いた話なのだが、不思議と都内中心では残っていたりして「あれだけ重いと地元で買うよね」なんて感じだそうで、この辺の配本バランスは難しそうだ。

川崎の丸善さんを訪問しKさんと話していたら、何だか妙に棚にささっている本の背表紙が、揃っているではないか。こんな風にピッタリくる棚なんだろうか?と触ってみると、数センチ奥に引っ込む。うむ。これはもしや意図的にやっているのではないか。

そのことをKさんに伺うとちょうど近くにいらしたHさんが答えてくれた。「以前いたお店のときからやっているんですが、こうやって毎日触ることによって、本を覚えるんですよね」

そうなのだ、僕も昔、八重洲ブックセンターでアルバイトをしていたとき、先輩の社員さんに、本の背を揃えろと教わったのだ。朝、へっこんでいたり、出っ張ったりしている本を揃える。その本はお客さんが前日触った証拠で、買おうかどうしようか悩んだ本だと。

そしてそうやって毎日本を触っているうちに本当に本を覚え、お客さんに本を聞かれたときに「54番の棚の、上から3段目、右から3冊目の青い背表紙の本です」なんて答えられるようになったのだ。スリップもそうだけど、実は触るということがとっても大事なことのような気がするのだけど、どうだろう…。

どちらにしてもこういう職人的な部分がしっかり受け継がれていくのはうれしい。そしてそこにPOSデータなどが加われば鬼に金棒だろう。

3月7日(水)

3月7日(水)

 しっかり売れる単行本の企画を思いついたので、早速、浜本に報告。

「●●さんに××してもらってそれを単行本でまとめるっていうのはどうですか?」
「いいねぇ」
「ね、売れそうでしょう」
「面白いね」

 しばらくその企画の細部を打ち合わせ。
「やっぱ、いいすっねー、●●さんの他の著作も重版がかかっているみたいだし、これ売れますよ」
「面白いねぇ」

 とりあえずGOサインが出たので企画書を作ろうと席に戻りつつ、今、浜本とした会話を思い出すと、浜本は一度も「売れる」という言葉を使わなかったことに気づく。僕と同じものを同じように評価しても、営業である僕は、売れることがまずあって、次に面白いという基準なのだが、編集である浜本にとっては、まず面白いかどうかが大切なのだ。気持ちはわかるけれど、売れなきゃしょうがないんだな、会社だから。まあ、その思いを両輪にしてうまく回せばいいわけだけど。

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「売れる」といえば今月の新刊『世界文学ワンダーランド』。搬入して二日しか経っていないのに、追加注文がバタバタと飛び込んで来ているではないか。営業中に、事務の浜田からその都度、携帯にメールが送られてくるのだが、電車のなかや棚影で、しばしガッツポーズ。うーん、うれしい。疲れやストレスもぶっ飛んでしまう。

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書店店頭は『marisol』『GRACE』『AneCan』と女性3誌が創刊で、大にぎわい。お店によって店頭販売している雑誌が違っていて、面白い。営業マンとの関係なのか、そのお店の客層にあわせてなのか。大型書店の店頭販売を他社に取られ、叱責されたりしている営業マンがいるのだろう。大変だ。しかしなぜ『AneCan』だけは新聞広告(朝日新聞)を打っていないのだろう。中吊りはあんなに派手なのに。広告戦略が違うのか? そして全誌とも雑誌タイトルが金色ではないか。本の雑誌も300号のときは金色タイトルにしてみてはどうだろう。

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夜は、ついに浦和レッズが世界に向けて扉をこじ開ける、アジアチャンピオンズリーグ第1戦。直帰し、埼玉スタジアムへ。いやGO TO AZIAへ。冷たい風と足もとのコンクリートからじんじん冷気が漂うなか、インドネシアのペルシク・ケディリと対戦。

先日の横浜FC戦同様、イマイチ噛み合わないレッズ。しかし小野伸二はピカピカに輝いていて、これはオシムに、呼ばれてしまうのではないかと思うほど、ピッチを縦横無尽に駆け回る運動量。そして両サイドに散らすロング、ミドルのパス精度が素晴らしく、思わずため息をついてしまう。今年の伸二はすごいかも…。

とりあえず、相手があまりに不甲斐ないので、山田、永井、小野のゴールで3対0で勝ったけど、何だかまだまだまとまりがないチームにちょっと不安がないわけでもない。まあ、まだ先は長いんだけど。

3月6日(火)

 昨日はせっかく早く帰ったのに、強風の影響で武蔵野線が止まっていて、結局家に着いたのはいつもと変わらぬ遅い時間。そして今日は朝から京浜東北線が止まっており、いやはや、通勤するのも大変だ。

 しかしまあ、本はゆっくり読めるわけで、本日は『隠し剣 秋風抄』藤沢周平(文春文庫)を読了。深夜+1の浅沼さんに「恥ずかしいから今さら藤沢周平を読んでいるなんて大きい声で言わないように」と注意されているのだが、10代はサッカーボールと女の子ばかり追いかけていKて、本を読んでこなかったのだからしょうがない。

 本屋大賞の佳境を迎えるこの時期になると、本屋大賞実行委員でもあり、当HPのシステム担当でもあるB社のSさんと頻繁に連絡を取ることになる。集計の結果やメルマガの配信、あるいは発表会の用意など、すでに4年目とはいえ、それぞれ確認しなければならないことがたくさんあるのだ。お互い思い出すと、電話やメールを送ることになる。

 ちなみにこのSさんがいなければ本屋大賞は絶対生まれなかったわけで、そういう意味では、本屋大賞の育ての母みたいな人なのだが、僕と一緒で完全なる裏方なので、4月5日の発表会のあと、地味に乾杯する、というかホッとひと息つくのを目標に、これから1ヵ月、何度も何度も連絡を取り合うことになるだろう。

 池袋のL書店を訪問し、我が師匠のひとり、Yさんと昼食。

 新潮社が文庫で仕掛けている、志水辰夫の『行きずりの街』がバカ売れしているとか。いいなぁ、文庫は。次から次へと売るモノが出て。ああ、本の雑誌文庫があったら、あれもこれも文庫化して、営業頑張るのに…なんて思わず嘆いてしまったが、そうなったらとても一人営業ではもたないだろう。

 そういえば先日打ち合わせでお会いした地方小出版流通センターのKさんから「もう単行本の文芸書は専門書と変わらない立場になってきているんじゃない?」なんて言われたのだ。確かに部数も専門書と大して変わらなくなってきているし、読んでいる人も相当限られる。売れ行きや浸透度から考えると、いわゆる一般書というのは、文庫や新書くらいなのではなかろうか。もはや小説やエッセイに1500円を出す人はかなりの少数派なのだろう。というか一般書であるはずの文庫ですら、電車のなかでは図書館シール付きの人が多く、うーん、いったい僕らは何を作っているのだろうか。

 そのKさんとの話は、そんな嘆きで終わるのではなく「少部数の専門書として考えるなら、本作りの方法も変わってくるのではなかろうか」という建設的な話に進み、そういう意味でいうと昨日搬入となった小社の新刊『世界文学ワンダーランド』牧眞司著は素晴らしい本で、こういう方向でしっかり本作りをしていくべきだ、なんて結論に達したのであった。

 その後は、今月2点目の新刊『笹塚日記 ご隠居篇』の営業が佳境を迎えており、池袋、神保町、新宿とジグザグ営業し、夕刻会社に戻る。そしてまたシステム担当のSさんとやりとり。今日は電車が通常通り動いていることを祈る。

<気になった本>

『作家の手紙』有栖川有栖ほか著(角川書店)
「36人の作家が誰かに充てて架空の手紙を書くという企画のなのだが、ぺらっと読んだ池上永一さんの手紙に思わず吹き出す。さすが天才!」

3月5日(月)

さすがにこの時期は、通常の営業だけでも大変なのに、本屋大賞の裏方仕事が重なり、青色吐息。大好きなはずの月曜の朝も、今週中にしなきゃいけないことを考えたらぐったり。ところがそんなときに限って、事務の浜田がインフルエンザでお休みとの連絡が携帯に入り、逃げるわけにもいかなくなる。嗚呼。

通勤読書は相変わらず藤沢周平。『隠し剣 孤影抄』(文春文庫)。「隠し剣」の切れ味同様、これらの短篇の切れ味にタジタジ。素晴らしすぎる…。

バタバタのデスクワークのスキをついて、新宿を営業。先週、大増床したジュンク堂さんは、落ちつくまでにはしばらく時間がかかりそうだが、いやはやこのスケール感はちょっとびっくりかも。とりあえず自社本の棚を整理する。

<売れていた本>
『鈍感力』渡辺淳一(集英社)
「しかし小泉純一郎の出版業界への貢献度は素晴らしい…」

『ひとりと一匹 富士丸と俺のしあわせの距離』穴澤賢(アーティストハウス)
「入荷してすぐなんですけど、すでに結構な数売れている、とか」

3月3日(土) 炎のサッカー日誌 2007.02

今年のJリーグのスケジュールが発表になったとき、おいらは頭を抱え込んでしまった。なぜならそこには3月3日、開幕と書かれていたからだ。

うーむ……。それはおいらの結婚記念日でないか。しかも嫌な予感がして、指輪の刻印を見てみたら1997年と刻まれている。ということは10周年? すなわちスイートテンというやつか。

参った。ただの結婚記念日と娘の節句が重なったくらいなら、そんなものは当然無視で、浦和のゴール裏に立つのだが、10周年だ、スイートテンだ。ただでさえスイートでなくビターな関係の我が夫婦、この日こそ、今後の10年に向けて勝負の時なのではないか。

いやここでポイントを稼いでおけば「アウェー観戦年1回ルール」の改正に持ち込めるかもしれない。ならば開幕戦を休んで、家族一同一張羅を着て、ホテルで食事なんていうのをしてもいいかもしれない。なんならダイヤモンドだって買ってもいいぞ。どうせ、おいらの金でなく、家の金なのだから。うけけけ。

そんなことを考えつつ悩んでいたのだが、レッズバカ仲間で同じく恐妻家同盟の取次店K社のYさんが、昨年ふと漏らした言葉が頭をよぎる。

「杉江さんさぁ、カカアの思考はポイント制じゃないんだよね、サッカーのない休日にいくら家事やら育児をしても結局、サッカーに行く日は不機嫌なわけさ。前にやってやったことなんて蓄積されてないんだから」

そうなのだ。おいらだって休日を丸一日サッカーに充てるのに罪悪感がないわけでなく、その罪滅ぼしとして、サッカーのない休日は一日中、娘と息子の面倒を見たり、料理をしたりしているのだ。しかししかし、それでもサッカー観戦して家に帰るとほとんど口を聞いてくれず、当然メシは冷や飯、ときにはすでに寝ていることだって少なくない。

ポイント性じゃないなら、スイートテンもあったもんじゃない。うむ、よく考えたら92年のナビスコカップで浦和レッズを愛して以来なんだから、こちは15周年だ。レッズの方が長いぞ! おし、開幕戦に行こう! おいらはスイートテンダイヤモンドより、レッドダイヤモンズの方が大切だ!!!

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というわけで、こっそり家を抜け出し駆けつけた開幕の埼玉スタジアムは、チケット売り切れで真っ赤か。相手はJ2昇格組の横浜FCで、こいつは春から縁起やいいや…と思いきや、ハマナチオだかなんだか知らないけれど、久保だけ残したドンビキ戦法にレッズイレブンも攻めづらそう。

そんななか輝いたのは小野伸二の広角で正確なパスと相馬の躍動感溢れる突破力か。またゼロックススーパーカップでは、ボランチに入って何も出来なかった阿部もDFではその身体能力の高さと危険察知能力を発揮し、DFラインを安定させる。

ワシントン、ポンテとつないだゴール(横浜FCのオウンゴール)から余裕の展開になるかと思いきや、ドラゴン久保が火を噴くようなロングシュートを決め、よもやの同点。

後半も攻めに攻めるが、ゴールは決まらず、祈るような歌声がゴール裏から聞こえだした40分過ぎ。06年の締めくくりの決勝ゴールを決めた永井が、07年幕開けのゴールを決め、どうにか勝利。うーん、まだまだだな、浦和レッズ。でも先は楽しみかも。

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鼻歌交じりで家路に着き、さすがに手ぶらじゃまずいよなと途中ケーキを買い込み、適当にお茶を濁そうかと思ったが、食卓にはすでに立派なケーキが並んでいて、幸せそうな家族(若干一名を覗き)がパーティーをしているではないか。もちろんおいらの食事はないわけで、もさもさとケーキを食って、寝たのであった。

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