2月7日(木)
本の雑誌社ビジュアル路線の第3弾!『風の馬[ルンタ]』の見本を持って取次店廻り。
小学生のときのあだ名がチベットで、1987年の春以来、20年以上に渡ってチベットを訪問し続けている渡辺一枝さんが見つめてきた、人間や風景が切りとられたこの写真集は、その素晴らしさを言葉にするとあまりに陳腐になってしまいそうで、とにかく見てください!としか言いようがない。ぜひ。
夜は、町の本屋さんの集合体NET21の新春の会にお邪魔する。
その冒頭の挨拶で、「出版社の皆さんに伺いたいのですが、我々本屋は必要ですか? それともナショナルチェーンだけあれば充分ですか?」という問いかけがあったのには、衝撃を受けた。もちろんNET21の方々は町の本屋の誇りを強く持っており、その問いかけの後には、町の本屋の重要性をしっかり伝えていたのであるが、何だかとっても淋しい問いかけであった。
私は、町の本屋さんが、営業的にも、人間的にもとっても重要だと思ってます。
しかしそんな淋しい問いかけとは裏腹に、パーティー会場には130社を越える出版社の方々が顔を出し、広いはずの会場も超満員。NET21の書店さんにご挨拶しつつ、日頃営業中に挨拶する程度しか時間が取れない同業営業マンともゆっくりお話ができ、意義ある時間を過ごさせていただく。
特に直扱いで独特な出版活動を続けているミシマ社の営業マンWさんとお会い出来たのはうれしかった。
「元々取次店で働いていて、あるときふと、扱っている本について何も知らないことに気づいたんですね。じゃあ本を作る側に行こうと思ったときに、ミシマ社の代表の三島に出会ったんです。今日もテスト販売している新刊があって、その書店さんからよく売れているって連絡が入ったんですけど、それを三島に伝えたらもう飛び跳ねるようにして大喜びしていて。なんだかその姿を見ているだけでうれしくなりますよね。」
出版の原点が、今、この出版社に漲っているんだろうな。
とっても元気づけられる出会いだった。