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2月12日(火)

 日曜日の夜に腰に激痛が走り、その晩は痛さのあまり眠れなかった。
 どうしたんだ? 思い当たるのは3歳の息子に肩車をせがまれ、いつも以上に張り切って肩に載せていたことぐらい。しかしそんなことでこんな激痛が生まれるのだろうか。妻はしきりに結石ではないかと心配するが、月曜も休日で病院が休みだし、とにかく痛み止めを飲んでやり過ごしたのである。

 今朝、内科行った方がいいのか、整形外科に行った方がいいのかわからないまま、とりあえず近所の内科に行ってみた。受診の結果、腎臓も膵臓もキレイで、痛みの感じからすると、内臓系ではなく、筋肉痛の一種だろうと診断された。確かに土曜より日曜、日曜より月曜と痛みは引いていたのだ。

 湿布薬とともに「腰痛パンフレット」なんてものを渡されて、出社することになるのだが、いやはや腰痛持ちにとって、満員電車は地獄の列車であることを思い知る。何気なく揺れて、隣の人から体重をかけられたときの、あの痛み、しかもその痛みは隣の人と共有できないし、私が今日は腰が痛いなんてことも伝えることができないから、どうすることもできない。そういえば腰痛持ちの作家さんにお会いしたとき「いやー作家で良かったですよ。これがサラリーマンだったら通勤できないですから」と言っていたことの意味を思い知る。快速列車を一駅で降り、いくらか空いている各駅に乗り換え、命からがら会社に着く。

 そうはいっても営業に出なければ、仕事にならず、戸塚、上大岡などの神奈川を回る。

 通勤読書は『叱り叱られ』山口隆(幻冬舎)。これはサンボマスターの山口隆が、影響を受けてきたアーティスト(山下達郎、大瀧詠一、岡林信康、ムッシュかまやつ、佐野元春、奥田民生)と対談していくのだが、いやはや山口隆の絡み方が絶妙で、対談読み物としてピカイチ。もちろん真剣に語られる日本のロック史は、私のように音楽に疎い人間にはとってもわかりやすかったし、それぞれの音楽を聴きたくなるガイド本としても最高で(ムッシュかまやつのCDを買ってしまった)、また奥田民生との現代CD業界への憂いは、出版業界と何も変わらないことを教えてくれる。

 充分堪能したのであるが、腰痛だと本を持つのもツライことを思い知る。

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