2月15日(金)
本屋大賞の二次投票期間が半分を過ぎ、ノミネート作品の読破に追われる書店さんから悲鳴が聞こえてくる。しかし結構多くの書店さんで「発見」が語られ、何だかこの全部読んでのシステムはやっぱり成功だったのではないかと思うのである。大変ですが、よろしくお願いします。
それから今年から参加される書店員さんが結構いて「文芸書の担当になるまでは、『なんだよ』なんてちょっと思ってましたが、担当になって参加してみたら無茶苦茶面白いですね」とか「今まで4回時間があったら参加しようと思っていたんですけど、今年は時間は作るもんだ!と発起して、頑張って参加してます」なんて言われると思わず泣きそうになる。
またこの時期文芸書の出版営業の話題にかなり「本屋大賞」が挙がるようで、参加してそうな書店員さんとは「どの本に投票するんですか?」なんて盛り上がっているとか。お祭りになれるといいな。
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3月刊予定の新刊『新書百番勝負』渡辺十絲子の判型をずーっと悩んでいたのであるが、ジュンク堂の田口さんの言葉で気持ちが固まる。
「杉江くんさぁ、全国の書店のどれだけに文芸評論の棚があるのよ?」
小説がこれだけ売れなくなってもしっかり置かれているのは、小説の棚がすでに書店さんにあるからだ。その代わりエンタメ・ノンフがないがしろにされてきたのは、棚がないからであり、分類はとっても大切である。
そもそも編集部から企画を提出されたときに、僕はいつも「どの棚(ジャンル)で売るの?」と問いただしてきたのであるが、そのジャンルの占有率までは考えたことがなかった。
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夜、営業の大先輩の方々及び取次店T社のTさんと酒。どれくらい大先輩かというと、「中卒でS出版社に入って、あの頃は取次店K社も神田にあって、もう40年も前かぁ」なんて感じ。改めてじっくり取材させてもらうことにする。
それにしても出版営業は面白い人ばかりで、本日は乗り鉄、戦闘機マニア、ディズーニーファン、音楽マニアなどなど。私のサッカーバカくらいではとても太刀打ちできない。
帰りがけT社のTさんから「杉江さん! 取次店にも本好きがいっぱいいますから!」と握手される。私に握手をしてもまったく意味がないと思うが、なんだかとってもうれしかった。