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9月25日(木)

おかしな時代
『おかしな時代』
津野 海太郎
本の雑誌社
2,940円(税込)
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罠猟師一代―九州日向の森に息づく伝統芸 (みやざき文庫 38) (みやざき文庫 (38))
『罠猟師一代―九州日向の森に息づく伝統芸 (みやざき文庫 38) (みやざき文庫 (38))』
飯田 辰彦
鉱脈社
1,470円(税込)
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 すごい本ができちゃったな、と見本が届いたときに思った。とてつもなく素晴らしい本だ。
『おかしな時代 「ワンダーランド」と黒テントへの日々』津野海太郎著(本の雑誌社)。

 10月1日(水)搬入なのであるが、連載時に加筆修正の上、貴重な写真も収録し、そしてそして平野甲賀さんの装丁である。ハッキリいってこれ以上「本らしい本」もないのではなかろうか。胸を張って取次店さんを廻る。

 先日『ぼくは猟師になった』千松信也(リトルモア)が素晴らしいと紹介したが、上には上があるもんで、同じ罠猟師本の『罠猟師一代 九州日向の森に息づく伝統芸』飯田辰彦著(鉱脈社)はもっと具体的で素晴らしい。罠をはじめ、解体の仕方も写真でしっかり紹介されており、また猟師の知恵と本質が描かれている。

 この本の存在を知ったのは、リブロ池袋店である。文芸担当の矢部さんに『ぼくは猟師になった』が面白かったと話したところ、「うちの人文書売り場でも盛り上がって、猟師本フェアやってるよ」と言われ、そのフェアを覗いたのである。そこに『世界屠蓄紀行』内澤旬子著(解放出版社)や『熊を殺すと雨が降る』遠藤ケイ著(山と渓谷社)ともに並べられていた。

 こういうことがあるとやっぱり書店の力はすごいと思う。さっきまで存在すら知らなかった、でも読みたいと考えていた本がそこにあるのである。まさに発見以外の何者でもない。またこんな本が出版されている日本の出版の奥深さにも関心させられてしまった。

 地方小出版流通センターで『「本の雑誌」炎の営業日誌』の注文を見せられる。具合が悪くなる。これは著者がみるものではないですな......。

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