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10月10日(金)

「本の雑誌」炎の営業日誌
『「本の雑誌」炎の営業日誌』
杉江 由次
無明舎出版
1,680円(税込)
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石塚さん、書店営業にきました。
『石塚さん、書店営業にきました。』
石塚 昭生
ポット出版
2,100円(税込)
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 上智大学の高野秀行さんの授業に向かっていると、無明舎出版の安倍さんから会社宛に届いたメールが携帯に転送されてくる。

「いよいよ今日ですね。おはようございます。地方小には今日届いてますが、そちらには明日、会社着で手配してますが、よろしかったでしょうか。長い間、ご苦労様、といいたいところですが、著者としては、これから疾風怒濤の日々になるかも。体調管理は万全に。」

 いつの日も体調管理だけは万全なのだが、おそらく疾風怒濤の日々は来ないであろう。何せ新刊は年間7万点は出ているのだ。

 しかしなんだ。明日は土曜日だから私の手元に届くのは、3連休明けの火曜日か。それまで待つのはつらすぎる、というわけで高野さんの爆笑授業を受けた後、地方小出版流通センターへお邪魔する。もちろんこちらにあるのは商品だから、私は購入するのである。著者にして一番最初のお客様になってしまったではないか。

★   ★   ★

 というわけで、5月21日に安倍さんとお会いし、打診され、了承し、ゲラと格闘した3ヶ月を経て、『「本の雑誌」炎の営業日誌』(無明舎出版)が出来上がってしまった。

 こちらには2004年以降2008年5月21日までの当日誌のなかから、安倍さんが選んだものが掲載されていている。基本的には、本の雑誌社の人間模様を中心に、サッカーや家族、出版業界のことだ。これだけははっきり言っておくが、出版営業のマニュアル書だと思って注文してはいけない。なぜならしょっちゅうサッカーで直帰しているようなやつにマニュアル書なんて書けるわけがない。そういうものを求めている人は『石塚さん、書店営業にきました。』石塚昭生(ポット出版)を読むことをおすすめする。

 じゃあ誰が読むのか。
 それがわからないのだ......。

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 先ほどまで一緒にいた高野さんは、「いやー本が好きなら好きなだけ、自分の本ができあがってくる瞬間はうれしいもんですよ」と話していたが、確かにゲラでもなく、またネットでもないこの「本」という物は、私にとってもあまりに重みのある物体であった。うれしいけれど、恥ずかし過ぎる。とても直視できない。直視できないけれど、私が色と認める3色(赤と黒と白)で構成されたデザインはすてき過ぎて、思わず浦和レッズ本として並べたくなってしまうではなかろうか。

 ちなみに私の友人は、帯が最高ですと言っていた。それから私の両親はイラストがいいと言っていた。最後に椎名さんは出版社が良いよなと握手をしてくれた。

 中身をほめる人、絶賛募集中。

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