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10月14日(火)

 サッカーのない休日がこれほど平穏だと思わなかった。

 阿佐ヶ谷のS書店を訪問すると店長のMさんから開口一番に「株どうなってる?」と聞かれる。たぶん私が出版営業の職に就いてから15年以上経つが、株のことが話題になったのは初めてなのではないか。もちろん私もMさんも株を売り買いしていない。ただ今回の大暴落が、消費に影響がでるのは間違いなく、その点で確かめられたのだと思う。ずっと向こうにあると思っていた経済が、実は自分のことであるという実感ができつつあるのではないか。たまたま夕刊紙の見出しで、「株価急上昇」と出ていたのを見ていたので、それを店長さんに伝える。

 出版の面白いところは、こういうマイナス局面も商売になるということだ。例えば今現在経済小説が売れているようだし、おそらく今後は不況下、恐慌下での生き方のような本も売れるだろう。また今回の問題をレポートしてものもたくさん出てくるだろう。そういう意味ではどんなときでもビジネスになるネタがあるのだが、大元の財布の中身が空っぽでは買われないのだが。

 吉祥寺のリブロを訪問すると『ぼくは猟師になった』千松信也(リトルモア)のフェアとともに本物の罠が置かれていた。すごい!

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