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7月24日(金)

 ゲリラ雷雨のような雨が降る中、出社しようとしたら夏休みの娘が声をかけてきた。
「パパ、待って」

 うう、やっぱりもつべき者は妻ではなく娘だ。きっと車で送るよう妻に言ってくれたのだ。そう思っただけでも涙があふれそうになったのだが、娘は1枚の紙を出して来た。

「パパさ、東京どこでも行くんでしょう? ポケモンのスタンプラリーやってるから押してきて」

 そう言って私にスタンプ帖になっているチラシを渡すと娘は2階に上がって行った。

 ひとり営業マンが、家族に尊重される唯一の時季であった。

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