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7月29日(水)

 猛暑にふらふらとなって営業していると、妻からメールが届く。

「おねーちゃん(娘)が25メートル泳げたんだって。すごい!」

 先々週に地元の県営プールがプール開きしてから、私は娘と息子を連れて2度行った。そのとき娘は「息継ぎができないから13メートルしか泳げないや」とめげていて、私は息子を浮き輪に乗せつつ、クロールの息継ぎを教えたのだが、これがインサイド・キックを教えるの同様、難しいのだ。

「顔を上げて」
「水が入っちゃうよ」
「だから横にだよ」

 無理矢理身体をねじらせると勢い余って背泳ぎになってしまい、娘は不貞腐れて泳ぐのを辞めてしまった。

 さっそく家に電話を入れ、「おねーちゃんに変わって」と言うと、電話の向こうから「めんどくさいからいい」と返事する娘の声が聞こえただけで、結局娘は電話口に出ることはなかった。

 娘はいったいどんな気持ちでプール検定に挑んだのだろうか。
 25メートル泳ぎきったときどんな表情をしたのだろう。
 できることならその姿が見たかった。

 家に帰ると妻が緑色の布切れを水泳キャップに縫い付けていた。

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