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9月9日(水)

つばくろ越え
『つばくろ越え』
志水 辰夫
新潮社
1,836円(税込)
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本の雑誌316号
『本の雑誌316号』
本の雑誌編集部
本の雑誌社
700円(税込)
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 頭が時代小説脳になっているうちに、話題になっていた時代小説を読み進んでいたが、今日読んでいたものはどうしても視点のブレが気になり、あちこちで躓いてしまう。それは人称のブレでなく、時代のブレで、突然現在の視点から説明や描写が入るのがつらいのだ。ストーリーはむちゃくちゃ面白いのにイマイチ乗り切れない。

 乗り切れないといえば、先日読んでいた時代小説は会話文があまりに現代的で付いて行けなかった。どうせやるなら花村萬月みたいに絵文字まで突き進むか設定やキャラクターをもっとぶっ飛ばし池上永一みたいなところまでやらないとキツいのではないか。

 今、時代小説は、以前からあった歴史・時代小説と、佐伯泰英に代表される書き下ろし文庫時代小説と、『のぼうの城』以降出現したライト時代小説に別れているのではなかろうか。私は、昔からある時代小説が好きなので、安心して読める(であろう)『つばくろ越え』志水辰夫(新潮社)を読み出す。

 我孫子の川村学園女子大学へ訪問し、上橋菜穂子さんの「作家の読書道」インタビューに立ち会う。上橋さんの小説はもちろん大好きなのであるが、大学で研究されている文化人類学方面に私は大変興味があったので、そちらの話も伺う。あまりに面白いので上橋さんの生徒になりたい気分になったのであるが、ここは女子大であった。十年後、娘を進学させよう。

 夜、会社に帰って「おすすめ文庫王国2009年度版」の企画を練る。一昨年、昨年で私のすべてを吐き出したつもりだったのだが、いろんな人と話しているうちにいろいろ新しい企画が浮かび、今年も面白くできそうだ。

 あっ、私がいないうちに『本の雑誌』10月号が搬入されていた。今月の読みどころはなんといっても高野秀行の短期集中連載「名前変更物語」であろう。12月号まで計3回、目が離せないぞ。

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