9月24日(木)
- 『みのたけの春』
- 志水 辰夫
- 集英社
- 1,944円(税込)
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- 『横道世之介』
- 吉田 修一
- 毎日新聞社
- 1,728円(税込)
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シルバーウィークもETCの付いてない私の車にはまったく幸せなことがなく、どこにもでかけず娘のサッカーと自分のランニングに明け暮れていた。
唯一報告することがあるとすれば、昨夜自宅で缶チューハイを飲んでいたのであるが、それがいつものではなく、ストロングというやつで、アルコール分が8%とちょっと強いやつであった。
500ミリを飲み干したところで酒に弱い私は結構気分がよくなり、転校生も関係ない息子とかくれんぼをして遊んでいたのであるが、調子にのって押し入れに隠れたところで記憶が途切れた。次に意識が目覚めたのも押し入れのなかで、みんな朝ご飯を食べているではないか。
息子よ、かくれんぼを途中でやめないでくれ。
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通勤読書は『つばくろ越え』に興奮し、前作『みのたけの春』志水辰夫(集英社)をシルバーウィーク前に買ったのあるが、あろうことか実家に帰省した際に忘れてしまったのである。無念。
というわけで評判の『横道世之介』吉田修一(毎日新聞社)を読むが、柴門ふみの漫画か「いいひと。」のようであった。今すぐにでもドラマ化できるのではなかろうか。
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昨年の今ごろ、人生で一度は大学生を体験したいと、高野秀行さんが受け持った授業を拝聴しに行っていたのだが、その授業があまりに面白かったので、これは埋もれさせてはならずと、単行本にすることにしたのである。
題して『放っておいても明日は来る ──就職しないで生きる9つの方法』。
どうして東南アジア文化論の授業がこんなタイトルの本になってしまうのかというと、実は高野さんが「はじめに」で書いているのだが、「えらい人や有名な人を呼ぶ予算はないので、自分の知り合いに片っ端から声をかけ、都合の合う人にお友達価格(交通費+α)で来ていただいた。知り合いだけなので東南アジアの全部の国はカバーできず、かわりに沖縄と屋久島在住の人たちにも来てもらった。拡大解釈も甚だしいが、『東南アジア文化の特徴のひとつはてきとうなこと』と強弁して、実行してしまった。
さて、そこで怪奇現象並みに不思議なことが起きた。ゲスト全員が組織に属していなかったのである。いずれもフリーもしくは自分で会社を興した企業家だった。好きなことを強引に仕事にしてしまったという人や気の向くままに生きていたら何となく仕事になっていたという人ばかりで、ユニークというのか奇人変人というか、とにかくみなさん変わった経歴ばかりだ。
講義にあたって、まずその辺の経緯を学生に説明しなければいけない。すると、巧まずして毎回が波乱万丈の人生劇場の様相を呈してきた。東南アジアの文化を話してもらうつもりだったのに(その話もしているのだが)、いつの間にか『どうやって外国で人生を切り開いたか』とか『仕事はどうやって見つけたか』みたいな話になっていった。しかもそれが滅法おもしろい。笑いすぎて腹が痛いこともしばしばだった。」というわけで、高野秀行さんと類友なゲスト8人の爆笑人生対談になる予定である。ちなみに私が今ランニングしているのもこの授業の影響で、人生何があっても体力とちょっとした希望さえあれば生きて行けると感じたからだ。
というわけでこの『放っておいても明日は来る』の発売が11月18日予定で、私は今この本の編集と営業に明け暮れているのである。