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12月15日(火)

どん底の人びと―ロンドン1902 (岩波文庫)
『どん底の人びと―ロンドン1902 (岩波文庫)』
ジャック ロンドン
岩波書店
907円(税込)
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荒野の呼び声 (岩波文庫)
『荒野の呼び声 (岩波文庫)』
ジャック・ロンドン
岩波書店
497円(税込)
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ブレイスブリッジ邸 (岩波文庫)
『ブレイスブリッジ邸 (岩波文庫)』
アーヴィング
岩波書店
972円(税込)
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 昨日町田を営業した際、L書店のSさんと文庫の平台の前で話をしていたのだが、平積みになっている文庫本に視線が釘付けになってしまった。

『どん底の人びと ロンドン1902』ジャック・ロンドン(岩波文庫)

 いつか読もうと思っていたのにその存在をすっかり忘れてしまっていた本だ。
 Sさんとの会話が終わった後、即購入し、読了。

 1902年、ロンドンの極貧地域・イーストエンドを潜入取材したのは、『荒野の呼び声』や『白い牙』で有名なジャック・ロンドン。

「お若いの、年は絶対取るなよ。若い中に死ぬといい、さもないとわしのようになる。本当のことを言っているのだ。(中略)ああ、死んだほうがましだ。お迎えが来るのがいくらはやくたって、かまわんよ、本当だよ」と話す絶望しかないホームレスが路上にたくさんおり、そういった人たちと一緒に暮らしつつ、真実の姿を映し出して良くのである。久しぶりに胸を鷲掴みにされたような気分になる本だった。いろんなことを考える。いろんなことを考えろ。

 それにしても数日前に読んでいた、同じイギリス、年代はさらに以前の『ブレイスブリッジ邸』アーヴィング(岩波文庫)とまるで違うではないか。これが世の中というものなのだろうか。

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 営業を終えて、会社に戻ると、事務の浜田がおかんむりの様子。

「聞いてくださいよ。今書店さんから返品了解の電話があったんですけど、何の本ですかと尋ねたら『おすすめ文庫王国2009年度版』っていうんですよ。あんまりなんでそれ先週だしたばっかりの本ですけどっていったら驚いていて、なんか去年のものと間違えたらしいんです」

 その報告を受け、もしやと思ってamazonで確認すると、「このミス」も「ミステリが読みたい!」も「本格ミステリベスト10」もその他もろもろのベストテン本がみんな2010年版と表記しているではないか。それらが回りにあって、ひとつだけ2009年度版と書いてあったら、書店員さんも間違えるだろう。おお、正直者がバカを見るってやつか。そういえば、「このミス」は、表記を先送りするため、一年飛ばしたのではなかったか。浜本と緊急会議。

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