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12月16日(水)

 知人の紹介で、出版業界への就職を考えている大学生が、出版営業という仕事について話を聞きに来る。聞く相手を間違っていると思うのだが、いまどき出版業界に就職したいと考えるだけで、すでに人生を踏み外しているわけだから、私に営業の話を聞いたところで誤差の範囲であろう。

 午後からは営業。埼玉を廻るが、会えたり、会えなかったり、混んでいたりで、五十点の出来。
 営業がうまくいこうが、いかなかろうが、私はひとり駅のベンチで迎える夕方が好きだ。寂しいのも悪くない。

 直帰して、息子の五歳の誕生日パーティーを開く。
 ショベルカーのミニカーを渡すと、「ぼく、これ、ずーっと欲しかったんだよ」とマンガのように飛び跳ねて喜ぶ。

 ありがとう息子。

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