2月16日(火)
- 『行くのか武蔵』
- 好村 兼一
- 角川学芸出版
- 1,944円(税込)
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いま、私がいちばん注目している時代小説の書き手である好村兼一の新刊『行くのか武蔵』(角川学芸出版)を読む。これは宮本武蔵の新解釈を含んだ小説なのであるが、読みどころはそこだけでなく、いやそれ以上に武蔵の養父である宮本無二のキャラクターが素晴らしいのである。
二刀流の遣い手であるのだが、負けた勝負を負けたと言えず、妻には逃げられ、戦の夜に忍び込んだ盗人を懲らしめつつ盗んだ金をフトコロに入れ、しかもその金は博打で散財してしまう。侍というのが主従の関係で成り立っているのがよくわかる小説で、主が負けてしまえばどこかに新たな主を求めなければいけないのである。特に関ヶ原以降の無二と武蔵の寄る辺を探す逃避行はその姿をあぶり出す。
その姿を無様と読むか、人間らしさと読むかは読者によって違うのだろうが、私は宮本無二の人間らしさに非常に好感を持つのである。いやあ、面白かった。そしてこんなキャラクターを書ける好村兼一は、やはりぐんぐんと羽ばたいていくのではないか。あとがきに触れられているような続編が描かれるのであれば、その日が楽しみだ。
★ ★ ★
太田和彦さんと単行本の打ち合わせをした後、銀座へ。
教文館さんで行うイベントの打ち合わせ。
山野楽器でオバチャンたちが夢中になってガチャガチャをやっているのにビックリした。東方神起らしい。
二刀流の遣い手であるのだが、負けた勝負を負けたと言えず、妻には逃げられ、戦の夜に忍び込んだ盗人を懲らしめつつ盗んだ金をフトコロに入れ、しかもその金は博打で散財してしまう。侍というのが主従の関係で成り立っているのがよくわかる小説で、主が負けてしまえばどこかに新たな主を求めなければいけないのである。特に関ヶ原以降の無二と武蔵の寄る辺を探す逃避行はその姿をあぶり出す。
その姿を無様と読むか、人間らしさと読むかは読者によって違うのだろうが、私は宮本無二の人間らしさに非常に好感を持つのである。いやあ、面白かった。そしてこんなキャラクターを書ける好村兼一は、やはりぐんぐんと羽ばたいていくのではないか。あとがきに触れられているような続編が描かれるのであれば、その日が楽しみだ。
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山野楽器でオバチャンたちが夢中になってガチャガチャをやっているのにビックリした。東方神起らしい。