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4月8日(木)

ヤノマミ
『ヤノマミ』
国分 拓
日本放送出版協会
1,836円(税込)
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 とんでもない本を読んでしまった。
 今まで読んだどんな本よりも衝撃的で、昨夜は本を閉じてから朝まで、一睡もできなかったほどだ。

『ヤノマミ』国分拓(NHK出版)。

 去年のちょうど今頃、何気なくテレビをつけたらやっていたのが「NHKスペシャル ヤノマミ 奥アマゾン 原初のもりに生きる」で、それはアマゾン奥地で、<シャボノ>という共同住居に住み、狩猟採集生活で暮らすヤノマミ族を追ったドキュメンタリーだった。そのテレビを見たときもあまりの衝撃で、私は一睡もすることができなくなったのだが、本書はそのドキュメントを作るために150日間ともに暮らした記録である。

 言葉も通じず、こちらの常識もまったく関係なく、彼らは彼らのルールで生きる。そしてとんでもないルールを目にするにいたるのだ。藤原新也はかつて「人間は犬に食われるほど自由だ」とインドを旅し発言したが、ヤノマミ(人間)は、赤ちゃんをシロアリに食べさせるほど自由なのである。

 価値観が崩壊するとはまさにこういう本のことで、もはや私の人生は『ヤノマミ』を読む前には戻れないだろう。この本に関しては、誰かと朝まで話し合いたいぐらいなのだが、正直、今、私にこの本を語る言葉がない。

 私にとってこの本は、生涯のベスト1になるかもしれない。

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