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7月22日(木)

「おとこは泣かない。おとこは泣かない」

 朝起きると5歳の息子が窓辺でつぶやいている。坊主頭にはうっすらと汗をかいており、首の周りにできた汗疹が痛々しい。

「どうした?」と声をかけると同じ言葉を繰り返す。

「おとこは泣かない」

 隣で寝ていた10歳の娘が笑いながら説明してくれた。

「今日、幼稚園のお泊り保育なんだよ」
 
 息子、頑張れ!

★   ★   ★

 なるほどなあと思ったのは、この夜、いろんな業種の人たちが集まった飲み会でのこと。
 なぜか話題が電子書籍となり、そこにいた広告系の仕事をしている人がこう話したのであった。

「もうね、スポンサー(広告主)が、iPad込みの要求をしてきてるんだよ。例えばデジタルカメラだったら、取材記事を動画で撮って、それを電子版のページに埋め込んでくれって。そうすればそのデジカメの動画撮影力がすぐ伝わるってことでしょう。それから別のスポンサーもやっぱり動画で撮影して欲しい、それを電子書籍と店頭の販促に使いたいってさ。この動きは止まらないよ」

「本の雑誌」のPDFを電子雑誌として売り出しませんか? とiPadの話題がでるずっと前から言われていて、どんなもんかとテスト版を作ったことがあった。しかし出来上がった電子版「本の雑誌」は、まあ言ってみれば紙版をそのまま取り込んだけど、あまりにチャチなシロモノで、私はそれがとても売り物にならない、いや売るべきレベルのものではないと判断し、電子化はストップしたのであった。

 要するに私は出版営業として今のところ電子書籍を必要としていないのだが、広告側からすれば、もはや電子版がなければ広告が集まらないのかもしれない。ということは、そこに読者がいようがいまいが、電子化は進んでいくということだ。

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