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8月12日(木)

ツバメ号とアマゾン号(上) (岩波少年文庫 ランサム・サーガ)
『ツバメ号とアマゾン号(上) (岩波少年文庫 ランサム・サーガ)』
アーサー・ランサム
岩波書店
821円(税込)
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ツバメ号とアマゾン号(下) (岩波少年文庫 ランサム・サーガ)
『ツバメ号とアマゾン号(下) (岩波少年文庫 ランサム・サーガ)』
アーサー・ランサム
岩波書店
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 なんだか劇団ひとりの8月末に出る新作が面白いらしい。

 何人もの書店員さんが、それも読みに厳しい人たちが、「いいのよ〜」と薦めてくる。ベストセラーにもなり、斎藤美奈子からも「ふつうに直木賞をねらえるレベル」と言われた『陰日向に咲く』よりずっと良いらしい。そういわれても発売は8月末だとかで、まだ読めないのであった。

 そんな話をとある書店員さんとお茶を飲みながらしていたのだが、その書店員さんは「でもね、ゲラばっかり読んでちゃダメなのよ。やっぱり好きな本を読まなきゃいけないし、本はお金を出して買わないとさ。例え面白かったとしてもね、1500円の価値があるかってのが大事だから」と話すのであった。

 確かに一部の書店員さんには、毎日のようにゲラが届き、そしてそれを読んで感想を伝えるのが仕事になっていたりする。感想を言わないと指定注文ができなかったり、そもそも「読んでいただけましたか?」と聞かれるのはかなりのプレッシャーだろう。

 そういうゲラが出るなんてことが考えられなかった時代から書店員をされている人たちは、「こんなに読んでられっか!」なんて言いながら机に山積みにしているが、真面目な若い書店員さんたちは、通勤電車や睡眠時間を削って、それらのゲラと格闘しているのだ。出版社の人間は、会社で机に座ってゲラを読んでいても仕事になるが、書店員さんは仕事中にゲラを読むわけにはいかない。

 発売前に内容やカバーなどわかったほうが、売る側からすれば当然いいだろう。しかし、読むのが仕事である前に、売るのが仕事なのだから、たぶんどこかでボタンの掛け違いがあるような気がしないでもないが、でも読まないとなかなか売れないのも現状で、なぜなら何かしら仕掛けない(訴えない)と本が売れないのだ。

 POS化やそういうものとはまったく別に、たぶん、ここ10年で書店員さんの仕事は激変している......と思ったけれど、これはすべて文芸書や文庫の話であって、それ以外の売り場がどうなっているのかわからない。

 面白そうな新刊がたくさんあるのだが、私は『ツバメ号とアマゾン号  (上・下)』アーサー・ランサム(岩波少年文庫)を読んでいるのであった。


※「炎の営業日誌」10周年まであと12日

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