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9月1日(水)

チベットのラッパ犬
『チベットのラッパ犬』
椎名 誠
文藝春秋
1,697円(税込)
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ロスト・トレイン
『ロスト・トレイン』
中村 弦
新潮社
1,512円(税込)
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 相変わらず『キムラ弁護士、小説と闘う』の注文が止まらない。

 『ひとつ目女』以来の椎名さんの新作SF『チベットのラッパ犬』(文藝春秋)を読み始める。冒頭から「知り球」やら「人造スルべ肉」だの異世界辺境感たっぷりのシーナワールド全開で、仕事をサボって読み進めたいところ。上司の本を読んで仕事をサボった場合、私は怒られるのだろうか。

 元・助っ人アルバイトの横溝青年から電話。
「炎の営業日誌10周年おめでとうございます! 僕がちょうど今年就職して10年なんで、ちょうど僕が卒業する年に書き出したんですね。それをずーっと続けているなんてすごいですよ」

 そう言われてみると本当に長い時間書き続けてきたんだなあと実感がわく。

「それでお祝いじゃないんですけど、杉江さんの好きなヤクルトスワローズのチケットが手に入ったんで、一緒に行きませんか?」

 横溝青年は年に一度くらいどこかで手に入れてきたボックスシートのチケットを私に送ってくれるのだが、しかし......。2008年5月27日の日記にあるとおり、信じられないぐらいおっちょこちょいをやらかす男なのである。

 もしやまた「雨天予備券」で誘っているのではなかろうか。もしそうならここ1カ月雨が降った記憶がないから、そのチケットで野球が見られるとは思えない。

「お前さあ......」
「いや大丈夫です! 今、僕、チケットを前にして話してますから。9月7日、東京ヤクルト対広島、間違いありません」

 結果は9月7日。

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 とある書店を訪問し、ここ数カ月何だかお店がものすごくよくなっていることを不思議に思っていたのだが、店長さんが変わっていたのだ。オーソドックスな店作りながら、棚整理がきちんとされており、接客もしっかりしている。ベテランの店長さんの背筋を伸ばした姿勢そのままのお店で、なんだかうれしくなってしまった。

 そういえば先日書店員さん3人と待ち合わせするのに、丸善お茶の水店を待ち合わせ場所にしたのだが、入ってきた書店員さん3人が3人とも開口一番「きれいだなあ」と呟いたのには笑ってしまった。

 ここでいうきれいとは棚や内装が新しいことではなく、本がきちんと積まれ、並べられていること、また視界を考えたレイアウトしていることを指しているのだ。きれいでいられる理由はただひとつ、それだけ書店員さんが本を触っている、ということだろう。

 きれい、というのはお客さんの購買意欲を上げる大事なもののだと思うのだが、人が減らされる一方の書店さんでは、なかなかそれが出来ないのも現状だ。

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 啓文堂府中店で見つけた『勝手にふるえてろ』綿矢りさ(文藝春秋)のPOPが、イラスト入りで素晴らしい。また好例の「おすすめ文芸書大賞」の予選が始まっており、候補作は『 ロスト・トレイン』中村弦(新潮社)など絶妙なラインナップであった。

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 夜、飯田橋で深夜プラス1浅沼さん、お疲れ様会。
 最後の最後まで浅沼さんは浅沼さんだった。
 戻って来て欲しい。いや戻ってくる場所を探さないと。

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