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9月9日(木)

切れた鎖 (新潮文庫)
『切れた鎖 (新潮文庫)』
田中 慎弥
新潮社
432円(税込)
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グレート生活アドベンチャー (新潮文庫)
『グレート生活アドベンチャー (新潮文庫)』
前田 司郎
新潮社
391円(税込)
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きみのためのバラ (新潮文庫)
『きみのためのバラ (新潮文庫)』
池澤 夏樹
新潮社
464円(税込)
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 通勤読書は、『切れた鎖』田中慎弥(新潮文庫)。私が今最も注目している小説家のひとり田中慎弥の三島由紀夫賞・川端康成賞受賞作にして、初文庫作品。著者とは同年代なのだが、この"引きこもった"感じというか、閉塞感というか、都市とも呼べない地方都市の暮しというか、そういうものがたまらないのであった。

 今月の新潮文庫は、この『切れた鎖』だけでなく、我が最愛の作家でもある前田司郎の『グレート生活アドベンチャー』や美しすぎる傑作小説集、池澤夏樹の『きみのためのバラ』が並んでおり、どれも単行本を持っているにも関わらず購入&再読してしまった。

 本の感想とはまったく関係ないが、私は埼京線を使って通勤しているのだが、ここ最近、電車のなかで本を読んでいる人がじわじわと増えている気がするのである。毎朝の、首を振って見える範囲での調査だが、必ず5人ぐらいは文庫本や単行本を開いている。もちろん一番多いのは携帯電話をいじっている人だが、携帯ゲーム機よりはずっと多い。ただし毎朝、ほとんど同じ電車の同じ車両に乗っているため、同じ活字中毒者かもしれないが......。

 涼しい一日だったが、社内でダイレクトメールづくりに勤しむ。

 夕方、高野秀行さんと高野さんの探検部の先輩が来社し、1月刊行予定の単行本用写真をセレクト。西サハラの砂漠を、まるで町内を走るかのようにタオルを首に巻いて走る高野さん。それだけでも大笑いなのだが、これが正真正銘のドキュメンタリー映像になっており、そのギャップがたまらない。

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