11月18日(木)
- 『腰痛探検家 (集英社文庫)』
- 高野 秀行
- 集英社
- 648円(税込)
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- 『おすすめ文庫王国2010−2011』
- 本の雑誌社
- 821円(税込)
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- 『定食と文学』
- 今 柊二
- 本の雑誌社
- 1,512円(税込)
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- 『書店風雲録 (ちくま文庫)』
- 田口 久美子
- 筑摩書房
- 929円(税込)
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月イチの頻度、まるで部活帰りの学生のようにしゃべくりあっているので、すっかり高野秀行という人の恐ろしさを忘れていたが、その新作『腰痛探検家』(集英社文庫)を読んで、改めて思い知らされる。
そうなのだ、高野秀行は狂っているのだ。狂っていなければ、世界のあんな秘境までわざわざ未知動物や怪獣を"本気"で探しにいけないだろう。しかもそれは高野さんにとってネタでもなんでもなく"本気"なのだ。"本気"と"狂気"は紙一重というか、同じなんだ。
今回その狂気が向った先は、自身がここ数年悩まされている「腰痛」で、その痛みから解放されるため様々な治療法に突き進んでいく。そのやり方はいつもの探検のパターンと一緒で、ここがダメならあそこ、あそこがダメならこっちと、まさに『放っておいても明日は来る』で本人が語っている「『絶対無理』の七、八割はどうにかなる」の精神で、しまいには動物病院のお世話になったりするのである。
相変わらずの軽妙な文章に大笑いさせられてしまうが、いやはやほんと狂っている!
★ ★ ★
神保町の東京堂書店ふくろう店のHさんと明日搬入の『定食と文学』今柊二さんのサイン本納品の打ち合わせをした後、本店のKさんとお話。「まだなにもできてなくて」とおっしゃるが、江戸川乱歩の異様に濃い棚が出来ていたりとじわじわと工夫されている様子が伺える。
その足で、池袋へ移動。
リブロのYさんから『おすすめ文庫王国2010-2011』の注文を頂きつつ、最近の面白本の話となる。Yさんの机の脇にはこれから購入しようとしている本がうず高く積まれているのだが、その守備範囲の広さと、知識の深さに頭を垂れる。いつまで経っても追いつけない。
道を渡って、ジュンク堂の田口さんを訪問。
サッカーの話をしつつ、そういえば往来堂のOさんが、田口さんの著書『書店風雲録』を再読し、そのあまりの良さに改めてシビれ、往来堂のフリーペーパー「往来っ子新聞」に書いてくださったこと、そしてそれを見た、別の書店員さんが、『書店風雲録』を読んで感動し、自分もいつかこういう本が書けるような書店員になりたいとネットで呟いていたことを報告していると、なんだか私も田口さんも涙目になってしまい、「あの本、出せてよかったね」と頷きあったのであった。
ことあるごとに言ったり、書いたりしているのだが、もし私にこの世に生まれてきた価値があるとするなら『書店風雲録』の企画と執筆依頼をしたことだと、本気で思っている。そしてそれがもう出版して7年も経つというのに読み継がれている事実。たとえ文庫になってしまったとはいえ、その喜びは何ものにも代えがたい。
そのまま歩いて雑司が谷の狭小古本屋「ひぐらし文庫」を覗くが、先客が二人もいて、お店に入れず。外から覗き、店長さんの元気な姿を確認し、駅へと戻る。鬼子母神の参道には、色とりどりの枯れ葉が舞っていた。
そうなのだ、高野秀行は狂っているのだ。狂っていなければ、世界のあんな秘境までわざわざ未知動物や怪獣を"本気"で探しにいけないだろう。しかもそれは高野さんにとってネタでもなんでもなく"本気"なのだ。"本気"と"狂気"は紙一重というか、同じなんだ。
今回その狂気が向った先は、自身がここ数年悩まされている「腰痛」で、その痛みから解放されるため様々な治療法に突き進んでいく。そのやり方はいつもの探検のパターンと一緒で、ここがダメならあそこ、あそこがダメならこっちと、まさに『放っておいても明日は来る』で本人が語っている「『絶対無理』の七、八割はどうにかなる」の精神で、しまいには動物病院のお世話になったりするのである。
相変わらずの軽妙な文章に大笑いさせられてしまうが、いやはやほんと狂っている!
★ ★ ★
神保町の東京堂書店ふくろう店のHさんと明日搬入の『定食と文学』今柊二さんのサイン本納品の打ち合わせをした後、本店のKさんとお話。「まだなにもできてなくて」とおっしゃるが、江戸川乱歩の異様に濃い棚が出来ていたりとじわじわと工夫されている様子が伺える。
その足で、池袋へ移動。
リブロのYさんから『おすすめ文庫王国2010-2011』の注文を頂きつつ、最近の面白本の話となる。Yさんの机の脇にはこれから購入しようとしている本がうず高く積まれているのだが、その守備範囲の広さと、知識の深さに頭を垂れる。いつまで経っても追いつけない。
道を渡って、ジュンク堂の田口さんを訪問。
サッカーの話をしつつ、そういえば往来堂のOさんが、田口さんの著書『書店風雲録』を再読し、そのあまりの良さに改めてシビれ、往来堂のフリーペーパー「往来っ子新聞」に書いてくださったこと、そしてそれを見た、別の書店員さんが、『書店風雲録』を読んで感動し、自分もいつかこういう本が書けるような書店員になりたいとネットで呟いていたことを報告していると、なんだか私も田口さんも涙目になってしまい、「あの本、出せてよかったね」と頷きあったのであった。
ことあるごとに言ったり、書いたりしているのだが、もし私にこの世に生まれてきた価値があるとするなら『書店風雲録』の企画と執筆依頼をしたことだと、本気で思っている。そしてそれがもう出版して7年も経つというのに読み継がれている事実。たとえ文庫になってしまったとはいえ、その喜びは何ものにも代えがたい。
そのまま歩いて雑司が谷の狭小古本屋「ひぐらし文庫」を覗くが、先客が二人もいて、お店に入れず。外から覗き、店長さんの元気な姿を確認し、駅へと戻る。鬼子母神の参道には、色とりどりの枯れ葉が舞っていた。