« 前のページ | 次のページ »

11月24日(水)

 どこへ行っても齋藤智裕こと水嶋ヒロの『KAGEROU』(ポプラ社)の初回注文数の話題となる。責任販売制の上の満数出、入荷と返品の正味(掛率)に差があるため、書店さんはいつになく慎重に自店の販売数を予測しているのだ。

「バイトに聞いたら興味ないっていうから少なくしちゃった」
「夜、キャバクラ嬢からの問い合わせが結構多いのよ。予約はしてくれないんだけど彼女たちの分も考えないと」

 内容もカバーもまったくわからないなか、それぞれの書店さんが独自の調査で頭を悩ませている。

「まあとにかくこうやって店頭や業界が祭りになるのは楽しいよ」

 ポイントカードや買取も含め、こうやって再販制度や委託配本制度は、なし崩し的に変わっていくのだろうか。

「うちは注文少ないよ。だって『ダ・ヴィンチ・コード』が倉庫にまだいっぱいあるからね」

 自店の棚にないという販売機会の損失と売れ残るかもしれないという損失は、どちらが健全かといえば当然後者の方だろう。どんな結果になるか『KAGEROU』の内容以上に興味深いのであった。

« 前のページ | 次のページ »