« 前のページ | 次のページ »

12月2日(木)

切りとれ、あの祈る手を---〈本〉と〈革命〉をめぐる五つの夜話
『切りとれ、あの祈る手を---〈本〉と〈革命〉をめぐる五つの夜話』
佐々木 中
河出書房新社
2,160円(税込)
商品を購入する
>> Amazon.co.jp
>> HonyaClub.com
>> エルパカBOOKS
追悼〈上〉
『追悼〈上〉』
山口 瞳
論創社
2,808円(税込)
商品を購入する
>> Amazon.co.jp
>> HonyaClub.com
>> エルパカBOOKS
 中央線を営業。

 立川のオリオン書房ノルテ店では、人文書業界を越え、多くの読者を獲得しだした『切りとれ、あの祈る手を』(河出書房新社)の著者、佐々木中氏がセレクトした本のフェアが行なわれていた。まるで浅田彰氏が世に出てきた時のようなインパクトなのだが、果たして当時のリブロ今泉さんのように売っているのはどこの書店さんなのだろうか。

 大好きな国立の増田書店さんを訪問す。
 今回は営業だけでなく、実はどうしてもここで買いたい本があったのだ。

『追悼(上)』山口瞳(論創社)。

 私の30代を作った作家・山口瞳の追悼文だけを集めた著作で、上巻では山本周五郎、吉野秀雄、三島由紀夫、向田邦子などが収録されている。ほとんど「男性自身」で読んでいるものだと思うのだが、以前から「そういえば山口さんが◯◯さんの追悼原稿を書いていたな」と「男性自身」各巻を探すことがあったので、これはものすごく便利な著作集だ。

 いやそんな便利なんて言葉はたいそう失礼で、解説で元講談社の担当編集者・宮田昭宏氏が書かれているように「いまの日本の閉塞感に息も絶え絶えに生きているすべての日本人に読んでほしいと思う。ここに書かれている数々の死の姿と、それを悼む山口さんの血を吐くような覚悟を読み取ってほしいと思う」とあるとおり、ものすごく真剣に書かれた文章の数々だ。しかしこの本を29歳の編集者が作ったとは......。脱帽だ。

 Y店長さんと話す。

「いろいろ安易な方向に進んできちゃったけど、やっぱりきちんとしたものを作っていかないとね。喫茶店がお客さんひとりひとりの注文に豆を挽き、コーヒーを入れるように。そういう本作っていきなよ」

★   ★   ★

 夜は、杉作J太郎さんと編集・宮里の飲み会に乱入。AKB48の話で盛り上がる。

« 前のページ | 次のページ »