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2月14日(月)

 営業から帰ると、浜田を筆頭に、みんなが私の机に集まっている。

 すわ! ヤバい資料かつい買ってしまった『少女時代』(アスペクト)がバレたのかと思ったら、机の上に24本入のビールのケースが置かれているではないか。しかもそれは私やスタッフが日頃飲んでいる第3のビールではなく、プレミアム・モルツだ。椎名さんのところからおすそ分けされる以外目にしたことがない高級本格派ビールではないか。

「どうしたの?」と目を血走らしヨダレを垂らした浜田に聞くと
「カクヤスが持ってきたんですよ、てっきり椎名さん宛かと思ったら杉江さん宛で......」と答える。

 それにしてもなぜにみんなでそのプレミアム・モルツを取り囲んでいるのかと思ったら、盗まれないように守っていたらしい。誰が盗むんだ?!......って椎名さんか?

「もういいから」とみんなを追い払おうとするが、全員が一斉に手を出してくるではないか。

「守っていたんです」
「無事なのは俺たちのおかげだ」
「世の中には報酬というのがあります」

 今、私の机の上には24本あったビールが私の机の上に3本しかない。
 その3本を立て続けに飲み干す。しかしなぜ内澤旬子さんはこんな立派なビールを贈ってくれたのだろうか。
 もしや原稿が......。


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