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4月19日(火)

 白水社WEB連載「蹴球暮らし」の第6回「抗議」を更新しました。

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 著者インタビューが流れた「王様のブランチ」のおかげか、本屋大賞受賞作とともに2位の「ふがいない僕は空を見た」窪美澄(新潮社)が売れている。品切れのお店が続出しており、なんだか『博士の愛した数式』小川洋子(新潮社)のときを思い出す。1位以外も手に取って欲しいと常々考えていたから、とてもうれしい。

 雨が降りだした頃、私が今、いちばん好きな棚作りをされている流水書房青山店を訪問。
 「父についてかたる子」という面白い切り口でフェアをされていた。棚はたった8本なのに奥行きが深い。本当にこのお店の文芸の棚は、素晴らしいと思う。

 ある人から被災地に本を送れないかなという相談を受ける。
 もちろん私も被災地の実際のことなんてわからないから答えようがないのだが、先日宮城にボランティアで行っていた高野秀行さんの話をする。

 高野さんに出版社として出来ることを伺うったとき「避難している人たちがいちばん自分達の状況がわかっていないから週刊誌とかは喜ばれるかも」と言っていた。「本はどうですか?」と改めて尋ねると「マンガや絵本は喜ばれるんじゃない? でも本はね、読みたければ読めるんだよ。学校が避難所になっていることが多いから図書室があるんだよね。まあ読んでいる人見かけなかったけど」とのことだった。もちろん高野さんが見た範囲の感想であるが。

 私は思うのだ。
 本を読むという行為には、本屋さんに行って、いろんな本を眺めながら気になる本を手にし、ページをめくり、そしてレジに持っていってお金を払うということも含まれていると。

 だからこそ、一日でも早く、本屋さんのシャッターが開き、看板に灯りがつき、そして雑誌や新刊が取次から届き、並べられる日が来ることを祈っているのだ。

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 ちなみに日本書店商業連合会では、被災された書店さんに直接届ける義援金を受け付けているそうです。

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