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4月30日(土)

 不忍ブックストリートでの一箱古本市に「本屋 本の雑誌」として出店する。
 出店場所はつつじ祭りが行なわれている根津神社の近く根津教会前で、私、浜本、宮里の3人で売り子となる。顛末は「本の雑誌」7月号に掲載の予定。

 市の終了間際に、この一箱古本市の主催人のひとりである往来堂のOさんがやって来て、「どうでしたか?」と感想を尋ねられた。

 私は素直に「いやあ本を売るのは楽しいですね」と答えたのであるが、なんだか書店ごっこをしてわかったようなことを言ってしまった気がして、慌てて「いや一日だけだからかもしれませんが......」と付け加えたのだった。

 私は当然その後、Oさんの口から実際の本屋さんの苦労が語られるかと思ったがそうではなく、Oさんははっきりとこう言ったのである。

「いやあ、本、売るのは楽しいですよ」

 Oさんと私は同年代であるが、また別の同年代の書店員さんと先日メールでやりとりをしていたら、そこにはこんな言葉が添えられていた。

「40代のこの十年を、私の本屋人生の集大成にしたいな、と大袈裟なこと考えたりしてる今日この頃です」

 最近なんだか、ひとり取り残されているような気がしている。

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