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6月24日(金)

 ひとり夕食を取っていると、居間から娘が妻に息子の学校での様子を報告している声が聞こえてきた。

「今日さあ登校班で、剛ちゃんが泣かされたんだよ」

 妻は驚き、娘に詳しく話させると、どうも娘の同級生の男の子が息子をからかって泣かしてしたようだった。それ自体はよくあることだろうが、私は笑って報告している娘が許せなかった。

 娘を呼び出し、烈火の如く叱り飛ばす。兄弟を守れないようでは家族ではない。明日学校に行ったら息子をいじめた奴に二度とからかうなと注意すること、そして息子に謝れと怒鳴りつける。

 小学校5年になって、そんじょそこらのことでは泣かなくなった娘であるが、おそらく自分にも罪の意識があったのだろう、嗚咽しながら息子に謝っていた。

 それが昨日のことで、本日家に帰ると娘が報告にやってきた。
「言っていおいたよ。弟をからかうなって。もしいじめたらわたしがぶっ飛ばすよって」

 そうかよくやったと頭を撫でてやると、その手を振り払いながら娘はつぶやくのであった。
「でもさ、パパの教育はおかしいと思うよ。やられたらやりかえすってふつうダメでしょう」

 ダメかもしれん。

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