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8月31日(水)

「蹴球暮らし」第13回:スパイクを更新。

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 気づいたら一ヶ月くらいこの「炎の営業日誌」を更新できずにいた。

 その理由は浦和レッズの不調と猛暑。自宅で唯一クーラーが設置された居間に、妻と子が寝室から避難して寝ているものだから、音も立てずに晩飯を食うともう寝るか、真っ暗ななかで現実逃避のため録画したプレミアリーグを見るしかないのである。

 その間にこの連載は12年目に突入。干支で一回り。まあ何の役にも立たない連載なので誰も褒めてくれないが、自分でそのしつこさを褒めたたえよう。おめでとう。

 昨夜は、『サッカーボーイズ』や『帰宅部ボーイズ』の著者はらだみずきさんとその担当編集者やサッカーライター、サッカー好きが集まったフットサルに参加。

 30代前半どころか20代の若者が多数いて、ボールよりも人が動き、これぞまさにトータルフットボールと感嘆していたら、たんに私が動けていないだけだった。はらだみずきさんから「杉江さん、まだまだ若いもんには負けない気持ちで」と言われるが、40歳の私は、あまりにめまぐるしい動きに酔ってしまう。2得点。

 新刊『三時のわたし』の評判がものすごくよく、訪問する書店、書店で「これはいいですねえ。売りますよ!」と声をかけられる。中身も外身もバッチリできた本には誰もが吸い寄せられるようだ。うれしい。

 どんだけ時間をかけて読んでいるんだという感じなのだが、『マザーズ』金原ひとみ(新潮社)
をじっくりじわじわと読んでいる。「育児」という狂気と矛盾に満ちた世界をこれでもかとリアルに書き記す破壊力たっぷりの小説だ。決して読みやすい本ではないけれど、2000年代の家族というものを描いた傑作だと思う。

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