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2月6日(月)

 出社してすぐ出かけなくてはならなかったのだが、急遽、病院へ向かう。
 昨夜突然のどちんこが膨張し、まるでたぬきのきんたまのようになってしまったのだ。ぶらりと垂れ下がったそれはどす黒く変色し、ときおり吐くつばに血がまじる。なによりも舌にあたって気持ちが悪い。具合がよくないのにサッカーのコーチをし大声を出したのと、ランニングを再開したのが悪かったのだろう。

 事務の浜田や経理の小林が「名医」とお薦めする近所の病院の扉を開けると、そこにいた看護師さんに「ああ、こちらです」といきなり診療室に案内される。やはりのどちんこがきんたまになると病院も特別待遇なのかと思ったら「これなんですけど」と大きな医療器具を指さされる。
「?」
「電源が入らないんですよ」
「??」
「あっ?! 業者の人じゃなかったんですか。土曜日にエコーが壊れちゃって修理の人を待っていたんですよ」
 単なる患者だとわかると待合室に戻され、窓口に保険証を提出させられる。しばらく待って、改めて診療所に呼び戻された。

 私はのどちんこが肥大化し、よもやたぬきのきんたまのようになってしまったことを真剣に話すが、浜田や小林がお薦めする名医は「あんた元気そうだから大丈夫だよ」と聴診器も当ててくれない。

「でものどちんこもとい、のどきんたまが、赤黒く変色して血が出ているんです!」と言われてもいないのに大口を開けると、仕方なさそうにライトを当て、また同じことを言うのであった。
「大丈夫ですね」

 無理やり出してもらった薬を手に外に出ると看板に「婦人科・産婦人科」とあった。

 会社に戻り「念のため」といって出してくれた薬を飲んでから早川書房へ。
「本の雑誌」4月号は早川書房特集で、本日は一日かけて早川書房を取材するのであった。

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