2月13日(月)
- 『三びきのやぎのがらがらどん―ノルウェーの昔話 (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)』
- 福音館書店
- 1,188円(税込)
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猛烈な喉の痛みで目を覚ます。
のどきんたまは本来ののどちんこに戻りかけていたのだが、どうも昨日日本武道館で行われた斉藤和義のコンサートに行き、調子にのって歌っていたのがよろしくなかったようだ。のどちんこはまた腫れ上がり、のどきんたま化してしまった。
というわけで出社するとともにまた名医のところへ。産婦人科・婦人科だったとしても先日もらった薬のおかげで鼻水と痰はピタリと収まったのである。腕に間違いはないはずだ。
扉を開けると本日はメーカーの修理の人と間違われることなく、待合室に通されたのだが「あんたはこっち」とひとりソファーではなく隅っこに置かれた丸椅子に座らさせられる。意外と混んでおりさすが名医なのであるが、ほとんどが女性だった。ただ私以外にひとりだけ、男性も混じっており、やはりここは普通の診察もしてくれるのだと胸を撫で下ろす。
ところがしばらく待っているとその男性は隣に座っていた女性と診察室に入っていった。思い起こせば私も妻が身ごもったとき何度か一緒に産婦人科に行ったのだった。そういうことか。残された男性は私ひとり。しかも口にマスクをしているのだ。やっぱり名医とはいえ、診療科目は大事かもしれない。
針のむしろな状態で、待合室にあった『三びきのやぎのがらがらどん』マーシャ・ブラウン(福音館書店)を読むが、あまり強烈なストーリーにひっくり返る。トロル、八つ裂き...。いったいどんな絵本なんだ。
一時間が過ぎた頃名前を呼ばれ、診察室に入ると、なんと名医が私の顔をみていきなりこういうのである。
「いやあ、来てくれてよかった」
ううん? 前回来た時私は何か検査を受けただろうか? 尿を取られた記憶も血を抜かれた記憶もないぞ。さすが名医だけに私の知らないうちに何かしらの細胞を手に入れ、検査したのだろうか。しかしそれで大きな問題が見つかったのなら喜んでいる場合ではない。
私はドキドキしながら名医に顔を寄せると、名医は私から避けるように顔をそむけ、ボソリとつぶやく。
「前回、初診料取り忘れちゃって...」
何はともあれ喉が痛いので、金はきちんと払うと申し出ると、名医はにこやかな顔に戻り、またもや勝手に口をあけた私の喉に向かってライト当てる。そして一言、「まあ傷ですね」というのであった。
なるほど血が出たのだからそれは傷だろう。
「熱いものとか冷たいものとか酸っぱいものとか飲み込むと痛いでしょう?」
そのとおりなので頷くと、「要するに口内炎と一緒だから、ビタミン剤を飲むしかないですね」と処方箋を書くのであった。そういえばこの名医、前回のときも今回も私に聴診器すら当てないどころか触りもしないのだ。まるで冷蔵庫の奥に落ちた小銭を照らすかのように、喉にライトを当てるだけなのだった。
「どうしたらいいでしょうか?」
「いや傷が治るまで待つしか無いですよ。組織の再生だから結構時間がかかるかもね」
そう言うと次の患者さんの名前を呼び、大きなお腹をした女の人が診察に入ってくると私は押しのけられるように外に出された。
笹塚の名医は自然治癒力を尊重しているようだ。
のどきんたまは本来ののどちんこに戻りかけていたのだが、どうも昨日日本武道館で行われた斉藤和義のコンサートに行き、調子にのって歌っていたのがよろしくなかったようだ。のどちんこはまた腫れ上がり、のどきんたま化してしまった。
というわけで出社するとともにまた名医のところへ。産婦人科・婦人科だったとしても先日もらった薬のおかげで鼻水と痰はピタリと収まったのである。腕に間違いはないはずだ。
扉を開けると本日はメーカーの修理の人と間違われることなく、待合室に通されたのだが「あんたはこっち」とひとりソファーではなく隅っこに置かれた丸椅子に座らさせられる。意外と混んでおりさすが名医なのであるが、ほとんどが女性だった。ただ私以外にひとりだけ、男性も混じっており、やはりここは普通の診察もしてくれるのだと胸を撫で下ろす。
ところがしばらく待っているとその男性は隣に座っていた女性と診察室に入っていった。思い起こせば私も妻が身ごもったとき何度か一緒に産婦人科に行ったのだった。そういうことか。残された男性は私ひとり。しかも口にマスクをしているのだ。やっぱり名医とはいえ、診療科目は大事かもしれない。
針のむしろな状態で、待合室にあった『三びきのやぎのがらがらどん』マーシャ・ブラウン(福音館書店)を読むが、あまり強烈なストーリーにひっくり返る。トロル、八つ裂き...。いったいどんな絵本なんだ。
一時間が過ぎた頃名前を呼ばれ、診察室に入ると、なんと名医が私の顔をみていきなりこういうのである。
「いやあ、来てくれてよかった」
ううん? 前回来た時私は何か検査を受けただろうか? 尿を取られた記憶も血を抜かれた記憶もないぞ。さすが名医だけに私の知らないうちに何かしらの細胞を手に入れ、検査したのだろうか。しかしそれで大きな問題が見つかったのなら喜んでいる場合ではない。
私はドキドキしながら名医に顔を寄せると、名医は私から避けるように顔をそむけ、ボソリとつぶやく。
「前回、初診料取り忘れちゃって...」
何はともあれ喉が痛いので、金はきちんと払うと申し出ると、名医はにこやかな顔に戻り、またもや勝手に口をあけた私の喉に向かってライト当てる。そして一言、「まあ傷ですね」というのであった。
なるほど血が出たのだからそれは傷だろう。
「熱いものとか冷たいものとか酸っぱいものとか飲み込むと痛いでしょう?」
そのとおりなので頷くと、「要するに口内炎と一緒だから、ビタミン剤を飲むしかないですね」と処方箋を書くのであった。そういえばこの名医、前回のときも今回も私に聴診器すら当てないどころか触りもしないのだ。まるで冷蔵庫の奥に落ちた小銭を照らすかのように、喉にライトを当てるだけなのだった。
「どうしたらいいでしょうか?」
「いや傷が治るまで待つしか無いですよ。組織の再生だから結構時間がかかるかもね」
そう言うと次の患者さんの名前を呼び、大きなお腹をした女の人が診察に入ってくると私は押しのけられるように外に出された。
笹塚の名医は自然治癒力を尊重しているようだ。