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3月7日(水)

紙の月
『紙の月』
角田 光代
角川春樹事務所
1,620円(税込)
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 朝、通勤電車のなかで昨夜から読み始めた角田光代の新作『紙の月』(角川春樹事務所)をカバンから取り出そうと思ったら、ないのである。確かに入れたはずなのにとたいして大きくもないカバンをくまなく探すが影も形もない。

 入っているのは営業のお供「森永ミルクキャラメル」と注文より多く手にするポケットティッシュだけで、こんな日にかぎっていつも3冊はカバンに詰めている本が、『紙の月』があまりに面白すぎるので他に必要ないと判断し入っていない。まさに「活字中毒者地獄の通勤電車」である。もしかしたらとカバンに顔を突っ込んでみるが、やはり本は1冊も入っていない。

 ああ、『八日目の蝉』に継ぐ、逃避行物語『紙の月』はあまりに面白く、朝ごはんのあいだも読んでいたというのに......。

 しかし私は絶対カバンにいれたのだ。いれたはずなのだ。それがどうしてないのだろうか。

(1)昨夜、本屋大賞の会議で帰宅したのが12時過ぎ。寝不足で朦朧しており、本当はカバンに入れ忘れた。
(2)毎晩遅い私に妻が怒って、私がトイレに入っている隙にカバンから本を抜いてしまった。
(3)本厄だから

 うーむ。一番可能性が高いのは(3)の本厄のような気がする。

 本厄だもの。よしつぐ。

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