3月23日(金)
- 『日本全国津々うりゃうりゃ』
- 宮田 珠己
- 廣済堂出版
- 1,620円(税込)
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新堂冬樹の作風に「白新堂」と「黒新堂」があるように、宮田珠己の作風にも「金色」と「銀色」がある。
デビュー作『旅の理不尽』(ちくま文庫)やロングセラーとなった『ときどき意味もなくずんずん歩く』(幻冬舎文庫)などギャグ路線は「金色の宮田珠己」略して「キンタマ」系と呼ばれ、『晴れた日は巨大仏を見に』(幻冬舎文庫)や『だいたい四国八十八ケ所』(本の雑誌社)など、独特な興味によってひとつのものを追求するエンタメ・ノンフ路線「銀色の宮田珠己」は「ギンタマ」系と呼ばれている。
そしてここ数年「キンタマ」系はもう書けないと「ギンタマ」系で勝負してきた宮田珠己なのであるが、ついにその「キンタマ」パワーの封印を解き、世に出したのが『日本全国津々うりゃうりゃ』(廣済堂出版)である。
宮田珠己が勝手に注目する日本各地の(観光)スポットを旅するエッセイなのであるが、その恐るべしキンタマ・パワーは電車のなかで読めないどころか、家でも読めない。
私は家族団らんのこたつのなかで読んでいたのであるが、あまりのおかしさに、腹が捩れ、震えが止まらず、しまいにはのたうちまわってコタツをひっくり返してしまったほどだ。床に転がるみかんを拾いながら妻や子から散々怒られてしまったので、出来ることなら鍵のかかる部屋かトイレで読むべし。
特に最終章の「真実の書」は、もはやギャグの域を超えて、金色に輝く聖書のようで、つまらない悩みどころか、生きていることすら忘れてしまうエッセイである。2012年どころか、人生必読のキンタマ系の1冊。
デビュー作『旅の理不尽』(ちくま文庫)やロングセラーとなった『ときどき意味もなくずんずん歩く』(幻冬舎文庫)などギャグ路線は「金色の宮田珠己」略して「キンタマ」系と呼ばれ、『晴れた日は巨大仏を見に』(幻冬舎文庫)や『だいたい四国八十八ケ所』(本の雑誌社)など、独特な興味によってひとつのものを追求するエンタメ・ノンフ路線「銀色の宮田珠己」は「ギンタマ」系と呼ばれている。
そしてここ数年「キンタマ」系はもう書けないと「ギンタマ」系で勝負してきた宮田珠己なのであるが、ついにその「キンタマ」パワーの封印を解き、世に出したのが『日本全国津々うりゃうりゃ』(廣済堂出版)である。
宮田珠己が勝手に注目する日本各地の(観光)スポットを旅するエッセイなのであるが、その恐るべしキンタマ・パワーは電車のなかで読めないどころか、家でも読めない。
私は家族団らんのこたつのなかで読んでいたのであるが、あまりのおかしさに、腹が捩れ、震えが止まらず、しまいにはのたうちまわってコタツをひっくり返してしまったほどだ。床に転がるみかんを拾いながら妻や子から散々怒られてしまったので、出来ることなら鍵のかかる部屋かトイレで読むべし。
特に最終章の「真実の書」は、もはやギャグの域を超えて、金色に輝く聖書のようで、つまらない悩みどころか、生きていることすら忘れてしまうエッセイである。2012年どころか、人生必読のキンタマ系の1冊。