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6月5日(木)

 JRを利用している私は、神保町に移転しても、利用しているのは御茶ノ水駅で、初出社から三日間は御茶ノ水駅の御茶ノ水橋口から出て、そのまま楽器屋さんのある通りを駿河台下交差点に下って通勤していたのだが、本日よりコースを変えてみる。

 聖橋口から改札を出、日販さんと丸善御茶ノ水店さんの間の「お茶の水仲通り」を歩き、太田姫稲荷神社に参拝の後右に曲がり、その後「かげろう文庫」を左折し、白水社や八木書店の前を取って、駿河台下の交差点へでる。こちらの通りのほいうが、緑が多くて気持ちいい。

 御茶ノ水界隈は15年前に働いていた会社の記憶がたくさんあり、思わずノスタルジーに襲われることがしばしばだ。毎日先輩たちと連れ立って昼食に歩いた錦華坂、サボって昼寝をしていた出版健保のロビー、社長に叱られるのがわかっていながら会議に向かうマロニエ通り、毎晩飲み歩いたあちこちの居酒屋。まるで目の前に22歳の自分が歩いているような錯覚にとらわれ、道端に佇んでしまう。

 昼、S書店のUさんがお弁当を持ってやってくる。社内にお弁当を広げるスペースがないとかで、これから本の雑誌社を休憩室として利用していただく。お気軽にどうぞ。

 その後、池袋のL書店さんへ。週末に行われる坪内祐三さんのトークイベント販売用に『三茶日記』『本日記』『書中日記』を直納。Yさんに浜本のギックリ腰を愚痴ると妙に浜本の肩を持たれる。そうか、書店員さんには腰痛持ちやギックリ腰経験者が多いので、浜本の痛みを哀れんでいるのか。なんだか面白くないので、その後の営業トークから浜本のギックリ腰ネタは外す。

 営業を終え、いったん会社に戻り、それからまた内澤旬子さんの個展をやっているイワトへ。こういうことが出来るあたりが、神保町の便利なところ。

 荷物をお届けした後、靖国通りの古本屋さんを冷やかし、1冊105円のワゴンから『影について』司修(新潮社)を引き抜き購入。

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