7月13日(金)
- 『月と雷』
- 角田 光代
- 中央公論新社
- 1,512円(税込)
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通勤読書は、一昨日、良文堂松戸店で買った『月と雷』角田光代(中央公論新社)。
ここ最近の作品に比べると240ページと薄い小説だなと何げなく読み出したのが大間違い。ページの厚さなど関係なく、ものすごく奥行きの深い小説世界に一気に引き込まれ、読み終えるまでとても本を置くことができなかった。
まるで捨て猫のようにそのときそのときいろんな人に拾われて生活していた直子と息子の智。その世間のまったく埒外な暮らしをするふたりが身を寄せた先で、人生を狂わされてしまった泰子。時が経ちバラバラに暮らしていた三人がまた出会うところから始まるこの物語は、世の中のふつうとまったく異なる行動をとる登場人物によって、いったいどこへ着地するのか心配になるほどだったが、読み進むうちにそれが生きるという意味を問う大きなテーマであることに気づかされ、最後の一行まで読んだ時、角田光代の考える生きるという意味に共感せずにはいられないのだった。
何度も書いてきたような気がするが、恐るべし角田光代。そして直子という登場人物の見事さよ。
ここ最近の作品に比べると240ページと薄い小説だなと何げなく読み出したのが大間違い。ページの厚さなど関係なく、ものすごく奥行きの深い小説世界に一気に引き込まれ、読み終えるまでとても本を置くことができなかった。
まるで捨て猫のようにそのときそのときいろんな人に拾われて生活していた直子と息子の智。その世間のまったく埒外な暮らしをするふたりが身を寄せた先で、人生を狂わされてしまった泰子。時が経ちバラバラに暮らしていた三人がまた出会うところから始まるこの物語は、世の中のふつうとまったく異なる行動をとる登場人物によって、いったいどこへ着地するのか心配になるほどだったが、読み進むうちにそれが生きるという意味を問う大きなテーマであることに気づかされ、最後の一行まで読んだ時、角田光代の考える生きるという意味に共感せずにはいられないのだった。
何度も書いてきたような気がするが、恐るべし角田光代。そして直子という登場人物の見事さよ。