6月12日(水)
- 『酒呑まれ (ちくま文庫)』
- 大竹 聡
- 筑摩書房
- 907円(税込)
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3時半起床。
『酒呑まれ』の大竹聡さんは今頃酩酊状態で、新宿の酒場をふらふらしている頃だろうか。
私はスッキリと目を覚まし、ウソかマコトか8月下旬に白水社から出版されるらしい「蹴球暮らし」改め『サッカーデイズ』のゲラに朱入れ。もう何十回も読んでいる原稿なのに直したい所がいくらでも出てきてしまう。
5時半二度寝。二度寝の寝起きの悪さは自信がある。
★ ★ ★
とある書店さんで、いつもと異なるジャンルの本を出すため、初めての書店員さんにご挨拶。
「今、ちょっと、立て込んでいて」
営業である私は注文をいただくのが仕事であるが、その交渉時間は書店員さんの仕事の合間であり、多くの場合仕事の邪魔をしていることになるわけで、特に現在のように売り場からどんどん人の減っていくなかで、私のような存在は本当に迷惑でしかないと日々痛切に感じており、営業しないのが一番の営業、なんて言葉がつい思い浮かんでしまったりするのだ。
しかも本日は一見の営業であるから、もう注文をいただけなくても仕方ないと思いつつ、足早に走り去ろうとするその後姿に「イヤフォンやヘッドフォンを批評した人気ブログの書籍化で、チラシだけ置いておきますので...」と声をかけた瞬間、その書店員さんは振り向き、「なになに? 面白そうじゃない」と言って、新刊チラシを手に取ると熟読しだしたのである。その瞬間の喜びはおそらく営業をやった人にしかわからない喜びであろう。
会社に戻って、その出来事を、その本の編集者であるカネコッチに報告。
「でしょ、でしょ、でしょ。すごいんだって、この本」
そんな編集の熱い想いを届けるのが私の仕事です。