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10月28日(月)

 日記の書き方がわからなくなり、山口瞳の『還暦老人 極楽蜻蛉』(新潮社)読み直していると平成元年十二月一日にこんな記述を発見する。

「粕谷一希氏来。Catfishで『東京人』の取材を受ける。この頃、カメラマンが来たりして客の数が多いときは申しわけないと思うのだが外で会うようにしている。珈琲とケーキだけにしても、昔と違って妻は億劫になってきているようだ。粕谷さんと一緒に来られた坪内祐三氏は息子の担当者である」

 開高健氏が亡くなる8日前のこと。

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 週末の「朝日新聞」に高野秀行さんと角幡唯介さんの対談と『島田清次郎 誰にも愛されなかった男』の書評が掲載されたため、それらの注文がバタバタと入る。地方小出版流通センターからは大至急欲しいとのことだったので、タイムズのカーシェアリングを利用し、浜本と届ける。

 午後、営業。『捨てる女』のイベントの打診。

 夜、会社に戻るとたった一日だけ酒を抜いた編集の宮里が「今日は最初の一杯に何を飲もうかなあ」と遠い目をしながらつぶやいている。幸せなやつ。 

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