5月14日(水)
- 『本屋の雑誌 (別冊本の雑誌17)』
- 本の雑誌社
- 2,138円(税込)
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新刊を本屋さんに並べるにはいくつかの過程を通らなければならず、営業はもちろん、そこでいただいた事前注文を集計、データ化、それらの資料と見本を持って取次店さんを訪問、後日、実際に何部初回に納品するか部決(ぶけつ)し、ついに搬入(発売)となる。
これらのスケジュールは、発売日から逆算し、それぞれが一日たりともズラすことなく決まっているわけだが、なんと今月の新刊『本屋の雑誌』の見本届け日と梅棹忠夫・山と探検文学賞授賞式が重なってしまったのではないか。
こんなとき営業が複数人いる会社なら簡単に対応できるだろうが、なにせ本の雑誌社の営業は私一人である。事前注文制の出版社だからそれほど交渉能力が必要なわけではないけれど、そもそも取次店さんの場所を知っているのも私ひとりで、代打ちしてもらうには地図を書くところから始めなければならない。
思い起こせば入社して17年。ほぼ毎月単行本を出版してきたことを考えると約200回ほどこの作業を繰り返してきたのだが、その間一度も誰かに代わりを頼んだことがなかった。
ついにその連続見本出し記録の更新が止まってしまうのか!? というわけで本の雑誌社の秘密兵器、いや最終兵器である事務の浜田に頼もうとすると「自転車乗れるっすか? 自転車乗れるんなら私どこでも行きますよ。お弁当持って行こうかなあ」と見本出しとピクニックを勘違いした反応を返され、頭を抱える。
頭が痛いときはどうしたらいいのか?
うつせばいいのだ。
中央精版印刷のMさんに電話し、どうにか見本の納品を半日早くできないかと相談。いや相談と言うよりは脅し。Mさんに頭を痛めてもらい私はスッキリ。
数時間後、そのMさんから「どうにかします!」と返事があり、あわてて事前注文の締め作業を開始する。
そしてMさん、なんとその男気を見せた約束の時間よりもさらに二時間早く、見本を届けてくれたのである。ザッツ、ミラクル! というわけで、午後から予定していた見本出しを午前中に早め、私の連続見本出し記録も途絶えることなく更新したのであった。
夜、相棒とおるとお茶。